キャリアを築く

PhD口頭試問Vivaに備えた質問12選と答え方

昼夜問わずに取り組んだ博士課程論文を提出して安堵のため息をついたところですか?でもまだ安心できません。論文提出は確かに大きな成果ですが、次は口頭試問(Viva)が待ち受けています。この面接が、博士号を取得できるか否かを決定付けます。指導教員を含めた審査官が提出した論文について質問をしてくるので、論文著者として的確に答えることが求められます。博士課程の口頭試問で聞かれることはさまざまですが、よく聞かれる質問もあります。この記事では、口頭試問で聞かれる可能性の高い12の質問と、その答え方についてのアドバイスを紹介します。 博士課程の口頭試問で聞かれる質問の内容 口頭試問では、審査官一般的には指導教官とそれ以外の2名)からの論文に関する質問に答えます。博士課程の口頭試問で聞かれる質問の内容は、大きく分けると以下の4つです。 1. 一般的な質問 2. 研究の背景と方法 3. 分析と研究結果 4. 議論と結論/予想される影響 博士課程の口頭試問へ向けて、上述の内容に関して聞かれる可能性の高い質問を想定し、回答を準備しておきます。予め質問に備えた練習をしておけば、実際の口頭試問の際にうろたえずに済むでしょう。 博士課程の口頭試問でよく聞かれる質問とその答え方 一般的によく聞かれる質問への回答を準備しておくことは簡単だと思うかもしれませんが、論文の内容に反対する質問に備えておくことも同様に大切です。緊張のあまり話題からそれてしまう可能性も十分にあります。そうなると、予想していなかった質問をされることにつながってしまうかもしれません。 論文を完璧に説明することが期待されているわけではありません。審査官は、研究に関する理解、方法、分析・結果、結論および予想される影響などを知りたがっているのです。…

研究者プロフィールの書き方(パート2)

研究者として自分のプロフィールを書くことも学術活動のひとつです。論文が学術雑誌(ジャーナル)に受理(アクセプト)された場合や、カンファレンスで研究結果を発表するような場合にプロフィールの提出が求められます。ところが、どこから何を書けばいいのか悩むことも―ここでは『研究者プロフィールの書き方(パート1)』に続き、プロフィールの書き方に踏み込んでみます。 プロフィールの構成 プロフィールは、短く、数行あるいは短いパラグラフに収めるという制約があります。自分自身の基本的な情報に絞りこむことが大切です。プロフィールの主な目的の1つは、自分の功績をしっかり伝えることです。簡潔にまとめたプロフィールで、自分の背景を大まかに伝えます。あまり細かく書く必要はありません。また、プロフィールは、「三人称」で書きます。つまり、「私(I)」を主語にするのではなく、他人からの目線で書くのです。適切なプロフィールはどのような情報から書き始めるべきでしょうか。 自分に関する基本情報には以下の事項を含めます。 氏名:文章中に自分のフルネームを書くことは少ないとしても、同じ名前の人と区別できるようにプロフィールにはフルネームを記載します。 身分:学術機関における身分(地位)は、あなたの背景や関心を読者に伝える大事な情報です。大学院生であれば、プロフィールを提示することで研究発表を依頼されたことや、論文などが発表されていること自体を印象付けることができるでしょう。 所属大学・研究機関:所属する大学、組織・機関に言及しておくことは大切です。 こうした情報を実際のプロフィールに書く際は、ここに示したような箇条書きではなく、散文体で書きます。例をあげてみましょう。 「ジョセフ・タイベリアス・シュモーは、ミネソタ大学の博士号取得課程に所属する学生です。」 この序文に続いて、主な研究に関する情報を続けます。 「シュモーは、中央アフリカのコンゴ盆地で、ボノボ(Pan paniscus)の社会構造に関する研究を行いました。」 この後に、対象動物をどのくらいの期間研究していたかなど、より詳しい情報を追加するとよいでしょう。自分の仮説を提示し、他の仮説とどう異なっているのかを説明することもできますし、研究における重要な意味などについて記載することも可能です。 プロフィールは、約35~30語(ワード)で書くのが一般的ですが、100~400語になるものもあります。その場合、記載される内容はより詳細になり、書き方も変わってきます。例えば、長いプロフィールには、以下のような情報を含めることができます。 •…

博士論文・修士論文を出版するには

博士論文・修士論文の執筆は大変な作業です。現在大学院で苦労している方や最近卒業された方は、修士や博士課程を無事終了するのにどれだけの時間と労力を要するか、よくご存知のことでしょう。大学院では、失敗や成功を積み重ねつつ何年も研究に費やしているはずです。多くの場合、大学院での研究は新たな洞察につながるので、こうした研究成果を学位論文(修士論文や博士論文)としてまとめるのです。 博士論文・修士論文を執筆する際、何年にもおよぶ研究の成果を反映させるために、さまざまなことを考える必要があります。学位取得の要件として論文を査読付き学術雑誌(ジャーナル)で発表することを義務付けている大学もあれば、論文の公表を求めない大学もあります。学位取得の要件に関わらず、博士号や修士号の取得者が学術的キャリアを形成する上で、査読付きジャーナルに論文を掲載することは避けて通れません。 博士論文・修士論文を出版する場合のチェック点 学位論文とひとことで言っても、在籍する大学院の過程によって求められる論文は異なりますし、地域によって言葉の使い方も異なっています。ヨーロッパでは、博士論文をThesisあるいはDoctoral Thesisと記し、独自の研究の成果をまとめることが求められる一方、アメリカではThesisは修士課程における研究の成果を示す比較的短い論文のこととすることが多いようです。 それを示す単語が何であれ、広範な研究は最終的に論文にまとめる必要があり、学位論文として書いた文章を学術ジャーナルに投稿して掲載させることも可能です。ただし、学術ジャーナル掲載を目指すのであれば、自分の研究についてあらかじめ以下のような点をチェックしておく必要があります。 厳密性:理路整然とした学術的な論文になっているか? 重要性:なぜ自分の研究内容が読み手にとっても重要か? 独自性:新規で独自性のある内容か? 需要性:利用価値、あるいは商業的な価値のある研究か? 学位論文の公開方法 以前は、大学による学位論文の公開方法といえば、卒業論文の要約を製本して公開するハードコピーによる公開のみでした。現在では、一部の修士論文や博士論文は、多くの場合クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを付けてオンライン公開されています。そのため、未発表(未公開)のオリジナルデータのみとする学術ジャーナルの発行要件には反することとなってしまいますが、一般的には、未発表の研究を記した学位論文を所属大学が公開することが学術ジャーナル採択の妨げになることはありません。むしろジャーナルは、大学が公開した学位論文は十分に新規性のあるデータであるとみなしています。ただし、大学のリポジトリで公開された論文であっても、学術ジャーナルでの掲載にあたっては査読が行われます。査読を通過して掲載されるためには、まず学内の学位論文審査のフィードバックに耳を傾けることが重要です。学内の審査委員会の批評は、多くの場合、ジャーナルの査読者の指摘と重なるので、論文に必要な修正を投稿前に行っておくことができるでしょう。 学位論文を出版する際の注意点 ここでは、大学院生が学位論文を出版する際に注意しておくべきことを挙げておきます。 まず一般論ですが、適切な引用、参考文献や謝辞の正しい記述、研究倫理の遵守は不可欠です。また、学位論文が公開される可能性を踏まえ、データの出所についての透明性を確保しておくことも重要です。学位論文を投稿する際には、該当論文または論文の一部が、印刷版のみ、あるいはオンラインリポジトリのいずれかで公開されているのかを必ず投稿先の学術ジャーナルに知らせることも必要です。…

英文カバーレター で抑えておくべき5つのポイント

研究職への就職は狭き門です。選考に残るには、研究職に応募する際に効果的なカバーレター(添え状)を付けて、自分と同等もしくは同等以上の業績があるライバルの中で自分の応募書類を際立たせる必要があります。研究職向けのカバーレターの書き方は、一般的な職種向けのものとは大きく異なります。研究職の採用担当者は、応募者の学力面の適正や業績とともに、研究の哲学的基盤により高い関心を持っています。この記事では、印象的なカバーレターを書く際に抑えておくべき5つのポイントを紹介します。 https://www.youtube.com/watch?v=sEaPgybLkcs   研究職の応募書類に付けるカバーレターで伝えること そもそもカバーレターとは応募書類を提出する際に付ける書類です。採用担当者が応募書類を見る際に、履歴書や職務経歴書よりも先に目にすることになるので、印象的なカバーレターで熱意をアピールし、書類選考を進めてもらうことは大切です。書類選考を通過しなければ面接の機会も得られませんので、最初に自分をアピールするひとつの材料としてカバーレターを活用するのが良いでしょう。まず、カバーレターで何を伝えるべきかを整理しておきます。 1. 研究者としての自分の紹介 2. その職に応募している理由 3. その職で活かせる自分の能力と経験 カバーレターには、採用者が応募者の人柄とその職に対する熱意を判断する助けとなる情報を簡潔にまとめておき、興味を持って応募書類を見てもらうようにすることが大切です。 研究職向けの英文カバーレターに書くべきこと カバーレターは、そこに何を書くか、どのような職務に応募するかによって変わってきますが、自分の採用を勧める主な理由を効果的に示すのに鍵となる要素は変わりません。カバーレターは、首尾一貫した形式で作成する必要があります。自分に関する情報が採用担当者に分かりやすく伝わるように整理しましょう。その職に必要な能力を自分が有していることを理路整然と示せれば、良いカバーレターであると言えます。 研究職向けの英文カバーレターにおいて、採用者が求める情報を提供しつつ自分の能力をアピールする際、以下の7つの項目に注意を払うようにしましょう。…

研究者プロフィールの書き方(パート1)

学術雑誌(ジャーナル)に論文がアクセプトされた際や研究発表をすることが決まった際など、経歴を短くまとめたものの提出を求められることがあります。 ありがちな割には、多くの人がこのAcademic Biography(研究者としての簡易版プロフィール)の作成に悩まされているようです。 自分自身について、そして自分の研究について3~5文程度の短さでまとめるには、何を書けばよいのか、何を省くべきなのか、ここで考えてみます。 プロフィールに書くべきこと 氏名、現職、興味の対象、取り組んでいるプロジェクト。これらを順に簡潔に記述する 直近1年に名誉ある賞を受賞していればその名称 趣味、ペットのこと、住んでいる街など、個人的なことに触れる。ただし、プライバシーに関わるような記載はしない。 避けるべきこと 書くべきことの選出とは別に書き方にも注意が必要です。避けるべきは以下の3つ。 一人称(“I”)で記述すること 現職以外の役職を詳細に書くこと 受賞歴や修士号・学士号などの情報を書きすぎること。(複数の段落からなる長めのプロフィールでは書きますが、短いプロフィールでは省きます。)また、大学院以前のプロフィールは出生地も含めて書かないようにします。 プロフィールの典型的な悪例を挙げてみます。 Hi!…

修士論文(Thesis)と博士論文(Dissertation)の意義と違い

大学院の学位を取得するには、通常、それぞれの課程で論文を執筆する必要があります。 ところが、「論文」を示す語には幾つかの類義語があり、修士論文(thesis)と博士論文(dissertation)の意味と使い分けにも、混乱が見られることがあります。 ここでは、この2つの言葉の意味の違いを整理してみます。 ThesisとDissertationの意味は、英国においてすら時代によって変わってきました。シェイクスピアの時代、修士号取得を目指す者はthesisを書く必要がありました。この場合、thesisとは特定の意見を主張した原著論文です。 これに対し、博士号取得を目指す者にはdissertationの提出と発表が求められました。審査会に対してthesis(論文)を読み上げると、2人の委員が読み上げた内容の一つ一つに対して異議を唱えていくのを静かに待ちます。 この審査の焦点は、その学生の考えと、考えを明確に整理して伝える能力です。学生が研究者としての道に進むことを望む場合、dissertationは避けては通れません。この時代のdissertationは、どちらかと言えば文献レビューのようなものでした。学生は特定の分野について幅広く本を読み、発見したことをまとめ、さまざまな機関やその意見について考察します。学生が対象分野の文献に精通していることを示すことが目的だったのです。 では現在、thesisとdissertationはそれぞれどのような意味で使われているのでしょうか。 修士論文(Thesis)と博士論文(Dissertation)とは 学位習得には高度な知識を要する学術論文を仕上げる必要があり、一般的には、大学院の修士号習得を目指す学生の書く修士論文をThesis、博士号習得を目指す学生が執筆する博士論文をDissertationと使い分けていますが、博士論文はDoctoral thesisと呼ばれることもあるようです。 修士論文(thesis)とは、研究成果に関する批評的な学術文書です。一般的には、修士課程を卒業予定の学生が提出します。修士論文の目的は、所属する課程の一環として研究してきた対象分野における専門知識や見解を示すことにあります。 博士論文(dissertation)とは、比較的長めの学術文書で、博士課程で行ってきた研究成果についてまとめたものです。博士論文を提出、発表した後、審査会での審査を経て博士号を取得することができます。この論文は、候補者が取り組んできた独創的な研究、あるいは、新規または既存の研究テーマを拡大させた研究に関する全ての情報を含めたものになります。 修士論文(Thesis)と博士論文(Dissertation)の違い 修士論文と博士論文の主な違いは作成時期です。先ほども指摘したように、修士論文は修士課程の最後に提出されるものであるのに対し、博士論文は博士号取得を目指す学生が執筆、提出するものです。 修士論文は、研究者が対象の研究過程で学んだ研究テーマについて熟知していることを証明するために、該当分野の研究をまとめたものです。博士論文は、その学生が専攻してる研究分野における既存の文献に新しい理論や情報を加える機会を与えるもので、博士論文用に行う研究は数年以上かけて完成させるのが一般的です。…

学会発表を研究活動に活用するためのポイント

※この記事は「学会参加を最大限に活用するために心がけること」というタイトルで2019年1月28日に公開した記事ですが、リライトにあたり情報を追記、修正して2021年7月26日に再度公開しました。 学生や研究者にとって、学会参加・学会発表は、研究成果を相互に提供し新しい情報を得るとともに、同じ分野の研究者と知り合いネットワークを構築するなど、メリットがたくさんあります。近年はコロナの影響により学会のオンライン化が進みましたが、開催方法が変わっても、学会参加や学会発表の好機を研究活動に活かすことは可能です。今回は、最近主流となっているオンライン学会の実情と、実開催・オンライン開催共に学会発表を研究活動に活用するためのポイントを紹介します。 オンライン学会の実情 既にオンライン学会に参加された経験のある方も多くなっていることでしょう。オンライン学会は、ZoomやMicrosoft TeamsなどWeb会議ツールを利用して開催されますが、その開催形式は、抄録・発表スライドなどを公開するものや、発表動画のライブ配信・オンデマンド配信を行うものなど学会によって異なります。 開催にあたっては、本会議に加えて、複数のテーマ毎の発表を同時進行させたり、特定の発表者が自分の研究内容や成果を発表するポスターセッションを行ったりしています。また、チャット機能や質問、投票機能などを利用すれば、発表者と質疑応答を行う双方向コミュニケーションも可能です。 昨年から渡航禁止処置などが続く中、数多くの学会がオンライン形式で開催され、さらに、学会によっては学会発表のみならず懇親会もオンラインで開催するなど、オンラインの機能を最大限に活用して研究者間のコミュニケーションの維持が図られています。 実際に研究者同士が会えないというデメリットがある反面、渡航費用や時間が削減できるというメリットもあり、コロナ後にも実開催とオンラインのハイブリッドが主流になるのではとの声も出ているようです。 学会がオンラインで開催される場合、発表者と視聴者双方に言語面のメリットもあります。 英語で行われる会議は大抵の日本人には敷居が高いものです。発表後の質疑応答で質問をしたり、交流イベントで積極的に話しかけて人脈を作ったりするのは、とりわけ難しいのが実情でしょう。多くの聴衆の前で、壇上の発表者に英語で質問することは、英語が相当堪能な人にとっても難しいことです。英語に今一つ自信がなければなおさらでしょう。 しかし、オンラインでの学会発表には事前録音というパターンがあります。発表スライドを事前に録音してウェブサイトにアップロードする場合、実開催の場合と違って、発表者は何度でもやり直すことができ、視聴者は繰り返し聞き直すことができます。アップロードされた動画は期間中(学会によって期間外にも)何度でも視聴できるので、内容をしっかり理解できるまで繰り返し聞くことができるのです。 しかも、現地開催だと同じ時間帯に気になるセッションが重複していたり、自分の講演とかぶっていたりすることも起こりますが、オンライン学会であれば気になるセッションを後から都合の良い時間に視聴することも可能なので効率的です。そして、質疑応答や参加者との交流については、英語で質問するのが苦手でも、チャット機能を利用して質問を書き込むことが可能です。 この様なオンライン学会の昨今の実情を踏まえ、学会参加で得られることと、学会発表を研究活動に役立てるためのポイントを改めて洗い出してみます。 学会参加で得られること 研究者としての知見が広がる…

博士課程の面接に備えて想定問答してみよう

学術研究におけるキャリアの中で重要な部分となる博士課程。そこに至る最初の関門「面接」は、自身の研究に対する意欲や考えをアピールできる絶好の機会です。面接に備えて、よく聞かれる質問と回答を準備する際に留意しておくポイントを解説します。 面接で質問される内容 大学院や学部、分野によって異なりますが、質問は大きく分けて下の2つに分類されます。 博士課程に進学したい理由 ・なぜ博士課程に進学したいのか? ・この大学院/学部を選んだ理由は? ・修了後の進路は? 研究に関する質問 ・今まで行ってきた研究は? ・なぜその分野の研究をしてきたのか、これから何をしたいのか? ・博士課程で行いたい研究の課題と解決するための研究の進め方についての考えは? 自分が行ってきた研究などについてプレゼンテーションを求められることもありますので、面接で何を求められるのかを事前に確認するとともに、自分が聞きたい事(博士課程に進む上で確認しておきたいことなど)を準備しておくことをお勧めします。 面接で対面する人 博士課程面接で面接官を担うのは次のような方です。 1.…

大学院への志望動機書で押さえるべき10のポイント

国内外どこの大学院を目指すとしても、志望動機書・パーソナルステートメント(Personal Statement)を書くことは簡単ではありません。該当分野に対する興味と、その大学院に入りたい、プログラム/コースを受講したいという熱意、自分の長所と経歴をポジティブに書けばよいとはいえ、押さえておくべきポイントはあります。今回は、志望動機書を書くときに押さえておくべき10のポイントを紹介します。 志望動機書とは 志望動機書は、あなたが何故その大学院あるいはプログラム/コースに応募するのかという理由と共に、あなた自身のことを示し、該当する研究分野でどのように貢献できるかを伝えるための文書です。 一般的すぎる話、あるいは個人的なことであっても該当のプログラム/コースや学術研究からかけ離れた話を書いてしまうと、応募者がどのような人物で何をしたいのか、該当分野で貢献できるかを見極めるのが難しくなってしまいます。応募者は、何を研究したいのか、自身の興味や経験が対象の分野やプログラムに一致しており、研究の発展に貢献できることを明確かつポジティブに書き記すことが必要です。志望動機書を書き始めるにあたって、次のような質問への答えを考えてみてください。 応募する理由は? 応募対象は自分の興味や経験に一致(適合)しているか? 該当の研究分野にどのように貢献するつもりか? 重要なのは、導入部分で読者の興味を引き、伝えたいことを的確に記すことです。志望動機書は、自分の知識や経験と応募するプログラム/コースとの関係に焦点を絞ります。もちろん、文法、誤字脱字/スペル、句読点の使い方などには十分な注意を払っておく必要がありますので、自分自身で書き上げた文章を何度もチェックするだけでなく、同僚や指導教官らに確認を依頼する時間も十分にとっておきましょう。文章量にも配慮し、必要なポイントを簡潔にまとめ、過度に長い文章になることは避けます。英語で書く場合には、約700ワード、1-2ページ程度でまとめるようにしてみてください。志望動機書の作成には時間がかかりますので、余裕を持って作業に着手することをお勧めします。 志望動機書を書くときに押さえておくべき10ポイント 1. 自分自身について まずは、応募者である自分自身がどのような人物で、どのような経験を持ち、どのような研究活動に従事してきたかを伝えるところから始めます。 2. 応募理由…

ポスドク の生き残り術、カギは「自主性」

ポスドク (博士研究員)とは、博士号(ドクター)を持ち任期制で学術研究に従事する人たちです。ポスドクはアドバイザーや主任研究員(Principal investigator)と呼ばれる指導教官の指導・監督の下で研究を進めますが、その多くは大学や研究機関などで正規の研究職に就けず、非正規で研究活動を続けている研究者です。数年間の研究プロジェクトに採用されることもありますが、任期付きであることには変わらず、将来の保証はされません。このような苦境の中、研究者として生き残るには、ポスドクの期間に何を意識しておくべきなのでしょうか。 ■ ポスドクの時期に自主性を高めておく 勉学に励んだ結果、豊富な知識を持ちながら深刻な雇用問題に直面することが見えているポスドクになることに疑問を持つ人もいるでしょう。ポスドクになることが将来に役立つのかについての議論すらありますが、一旦この道に進むと決めたなら、自分の将来にとって重要な技量を磨くことや、その機会を最大限活かすことに集中すべきでしょう。自分の研究の間口を広げたり、必要とされる技能を修得したりすることも大切です。ポスドクの時期は論文執筆とその発表に時間を集中的に割くべきですし、併せて研究者間の人脈を広げることも大事です。このように、ポスドクの期間中に 自主的 に研究する力を鍛えておくことが大変重要です。 ■ 自主性の大切さ 研究者が独創的な自分の研究目標を設定し、主体的に取り組むためにも「自主性」は不可欠な要素です。ポスドクの期間中に自主性を身につけるためには、次の二つが重要です。第一に、指導教官の指導に依拠するばかりではなく、自分で研究を考え、進行させる力をつけること。研究プロジェクトを運用する能力は研究者として職を探す際に求められます。第二に、研究者としての自分の名前を拡散し、評価を得ておくことです。ポスドクの間に研究活動の成果を論文に記し、発表する力があること、研究者として必要なスキルと判断力をもち、研究に従事する準備が十分にあることを示せれば、将来につながる可能性を高めることができるでしょう。 ■ 自主性を高めるためにすべきこと 研究者としての自主性を高めるために、ポスドク期間中に次の点に取り組んでおくことをお勧めします。 1. 研究助成金に応募する(資金の獲得) ポスドクが応募できる研究費としては、主に公的機関や民間が提供する助成金が挙げられます。ポスドクの期間に少なくともひとつはこうした助成金に応募してみるべきでしょう。資金を獲得できれば経済的な助けとなるのに加えて、主体的に研究を進められる研究者であることの証となります。 2.…