機械翻訳はここまで来た!
機械翻訳の性能が飛躍的に向上しています。特にこの10年程度の技術の躍進には目を見張るものがあります。日本では外国人観光客と2020年の東京オリンピック・パラリンピックに対応すべく、機械翻訳機能を登載した案内サービスが増えており、その性能に驚かされた方も少なくないかもしれません。一体どのような仕組みになっているのでしょう。人間による翻訳とは何が違うのでしょう。今回は 機械翻訳 の進歩の歴史に迫ります。 ■ 精度は今も上昇中 機械翻訳は、文章を単語や文節(フレーズ)にバラバラにしてから逐語訳をするルールベース翻訳(RBMT: Rule-Based Machine Translation)から始まりました。それが対訳コーパスを利用する統計翻訳(SMT: Statistical Machine Translation)、そして第3世代のニューラル機械翻訳(NMT: Neural machine translation)の登場で、さらなる精度の向上が図られています。スマートフォンやPC利用者には身近なGoogle翻訳ですが、これはまさに、NMTのニューラルネットワークを利用した機械翻訳です。 これまでは、欧米の言語と日本語など、文法や単語の類似が少ない言語を翻訳する際には、逐語訳したものをつなげ直す従来の翻訳技術だけで精度を上げることは困難でした。そこで、翻訳機械に学習機能をつけるという技術革新、つまりNMTが開発され、近年の飛躍的な進歩が成し遂げられたのです。膨大な対訳データをコンピュータ自身が「学習」することで翻訳精度を上げるNMTは、データ処理能力と速度が格段に進歩した現代だからこそ可能になった技術です。…