?> 科学コミュニケーションと学術出版のエキスパート ― エナゴ学術英語アカデミー

学術における責任あるAI使用:出版社のポリシーと著者の責任

Add To Calendar Watch Now   人が執筆してChatGPTで校正した論文が、AI検出ツールに不正検出された場合、責任は誰にあるのか? 今や、生成AIツールは論文執筆に欠かせなくなっていますが、AIの使用に関するルールはその進化のスピードに追い付いていません。本ウェビナーでは、責任あるAI使用とは何かを探り、現在の出版社のポリシーが著者を導くのに十分であるかを検討します。 ウェビナー概要 AIを補助的に使用した論文執筆における倫理的・手続き的課題についての専門家の提言 AIの普及と求められる透明性のギャップの検証 AI時代における研究倫理維持の実践的枠組み 質疑応答セッション 登壇者 杉田…

研究加速プログラム「academist Prize 第5期 supported by infomart 基礎研究で、世界を変える。」キックオフイベント参加レポート

クラウドファンディングやサポーター制度などを通じ、開かれた学術業界の実現を目指すアカデミストが2021年より行っている若手研究者向け研究加速プログラム「academist Prize」。第5期の採択者発表&キックオフイベントが、2025年9月2日(火)に、東京大手町のInspired.Labで開催され、エナゴのマーケティング担当とライターも参加しました。 今期のプログラム「基礎研究で、世界を変える。」では、新たな研究資金分配のスキームが導入されています。9月2日(火)から10月30日(木)の約2か月間をクラウドファンディング支援期間とし、この期間にチャレンジャーが得たクラウドファンディングの支援金と支援者数に応じ、最大1,000万円の賞金総額(マッチングプール)のうち一定額がチャレンジャーたちに分配されます。 イベント前半では、今期のチャレンジャーに選ばれた10組が、研究で何を成し遂げようとしているのかをそれぞれ3分間で発表。幅広い目的や方法についての熱心な説明が行われました。学部生から助教と、幅広い研究キャリアにいる若手研究者たちのピッチに耳を傾けました。   1. 山田 大夢さん(奈良先端科学技術大学院大学、博士後期課程1年) 目標:環境にやさしいグリーン溶媒利用拡大 プロジェクトページへ:化学者 × AIで環境や人体に優しいグリーン溶媒の利用を拡大させたい!   2. 西本…

業界を超える「学際」で新たな価値をつくる – 京大・宮野公樹氏と探る、研究と社会のこれから イベント参加レポート

クラウドファンディングやサポーター制度などを通じ、開かれた学術業界の実現を目指すacademistが2021年より行っている若手研究者向け研究加速プログラム「academist Prize」。第4期のファイナルイベント『業界を超える「学際」で新たな価値をつくる - 京大・宮野公樹氏と探る、研究と社会のこれから』が2025年8月28日(木)に、東京大手町のInspired.Labで開催され、エナゴのヴァイス・プレジデントのラジブ・シルケとマーケティング担当、ライター、営業担当が会場で参加しました。 イベントはサイエンスコミュニケーターで「academist アンバサダー」の佐伯恵太さんの進行により、前半では「academist Prize」4期生7名がそれぞれの1年を総括して発表するピッチが、後半では、京都大学学際融合教育研究推進センターの宮野公樹さんと、株式会社バイオインパクトの杉原淳一さんによるトークセッションが行われました。 「academist Prize」4期生7名による発表 私にとっての「1,000 True Fans」とは? 前半のピッチで7名の登壇者に割り当てられた時間はそれぞれ5分。この中で1年間のプログラム期間中に、何ができて何ができなかったか、目標をどの程度達成できたのかなどをそれぞれが発表しました。 「美しさ」についての研究を行っている櫃割仁平さんは、「コミュニティーマーケティング」を行うために「あいまいと」というコミュニティを約1年前にローンチ。研究の種を出し合って、プロジェクトとして成立させていくというアプローチを続けてきた中で、職業研究者ではない共同研究者とポッドキャストに関する研究論文も発表しました。コメントをくれる人、人や機会をつないでくれる人など、様々な関わりのファンを作ることができ、ビジョンを共有できたとのことでした。 高齢者福祉の分野で研究を行う金子智紀さんも、academist 内外の取り組みで、自分のやりたい思いを、一緒に広げていく仲間も獲得されました。介護先進国である日本の介護施設の事情や介護体制についての情報に対する海外からのニーズも多く、金子さんは、それを財源に、介護事業や研究を進めるという循環を模索しているとのことです。…

エムダッシュとエンダッシュの違い

文章を書くときには、さまざまな句読点を使いますが、そのすべてに異なる機能と目的があります。よりよい文章を書くためには句読点の違いを理解し、使いこなす必要があります。句読点は、文意を正確に伝え、文章の明瞭さを高め、一貫性を確保する上で重要な役割を果たすものです。さらに、思考を構造化し、読者を誘導し、意図したメッセージを正確に伝えるための一連のツールとしても有用なものです。 この記事では、英文で用いられる句読点の中でも区別が付きにくいダッシュ記号に焦点を当て、エムダッシュ(emダッシュ)とエンダッシュ(enダッシュ)の違いを説明します。ダッシュ記号は、文章を強調する、明瞭さやインパクトを加えるといった際に使われますが、効果的な使い方を理解することで、文章をより洗練させることができます。 ダッシュとハイフンはいずれも横棒に似た記号ですが、それぞれ異なる機能を持っています。一貫性なく使われていることも多いようですが、ダッシュ記号は重要なポイントの強調から、範囲やつながりの提示まで、さまざまな重要な役割を果たす記号です。ダッシュを使いこなしてインパクトのある魅力的な文章を作成してください。 ダッシュとは ダッシュは、文章中の区切り、中断、または前の文章とのつながりを示すために使用される長音記号に似た(でもそれより短い)横線型の句読点です。ダッシュには、長めのエムダッシュ(emダッシュ)と短めのエンダッシュ(enダッシュ、エヌダッシュとも言います)の2種類があります。一見区別しにくいのですが、エムダッシュは大文字のMと同じ幅(長い)、エヌダッシュはNと同じ幅(短い)程度であると覚えておくと二つの長さの違いがわかりやすいと思います。 この2種類のダッシュと、もう1つの一般的な句読点であるハイフンが混同されることがよくありますが、長さではハイフンが一番短く、次にエンダッシュ、最も長いのがエムダッシュとなります。エンダッシュは、単語や数字など前後をつなげ、エムダッシュは逆に前後を切り離したり文中に間を作ったりと、文章を書く上でさまざまな役割を果たします。 ライティングにおけるダッシュの重要性は過小評価されがちですが、どちらのダッシュを使うかは文脈によって異なるので注意が必要です。ダッシュの重要性について詳しく見ていきましょう。 1. 強調と中断 ダッシュは、文中の特定のフレーズやアイデアを強調するための強力なツールです。エムダッシュは、主節から一部を切り離す場合に使われることで、流れを中断させたり、特定のテキストを目立たせて強調したりすることができます。コンマ(,)でも同様の効果を出すことができますが、エムダッシュを使うことで、切り離した部分のテキストをより強調することができます。エムダッシュを使うことで、より主節を強調する効果が生まれ、魅力的でインパクトのある文章にすることができるのです。 2. 明瞭性と情報追加 ダッシュを使って複雑な考えを伝えたり、情報を追加したりすることで、文章の明瞭性と一貫性を向上させることができます。エムダッシュを使って説明や補足事項などを挿入することで、思考の転換を示したり、関連してはいても異なる要素を紹介したりすることができます。説明や明確なフレーズを入れ込むことで、読者の理解を深め、メッセージを効果的に伝わるようにするのです。 3. 接続と範囲の提示…

アスタリスクの使い方

あなたが今、一般には馴染みの薄い研究分野の論文を書いているとします。ただでさえ難解な内容をどう読者にわかりやすい文章で伝えるか、あるいは、重要な部分をどう目立たせられるかが、論文を書く上での大きな課題となるでしょう。 ブログ記事や自分のノートなら、強調したい箇所にハイライトを付けたり、フォントを変えたり、あるいは独自のマークを付けたりしておくことも考えられますが、研究論文などのアカデミック・ライティングでは、そう簡単に表記を変えることはできません。 アスタリスク「*」(アステリスク、あるいは星印と呼ばれることもあります)はよく、補足や脚注を示すために本文中に付けられます。また、脚注を示すだけでなく、省略された文字があることを示したり、免責事項(広告や契約書に出てくる)を示したりするのにも使われることがあります。この記事では改めてアカデミック・ライティングにおけるアスタリスクの使い方について見直してみます。 アスタリスク(*)とは アスタリスクとは、注釈や脚注、参照を示すために文中で使われる記号です。本文などに特別な解説を加える必要があるような場合にアスタリスクを付け、欄外の同じアスタリスクを付けた該当部分に対する注釈や解説を連携させるものです。 英辞書によれば、アスタリスクは「小さな星のような記号(*)で、文字や印刷で参照マークとして、または省略や疑わしい事柄などを示すために使用される。」との意味の他に、言語学で、特定の言語を母国語とする人々にとって非文法的な、あるいは容認できない発話を示すために使用される星印(*)といった意味も記されています。 脚注や注釈を示すためのアスタリスク アスタリスクが脚注や注釈を示すための記号として使われるようになった歴史は古く、一説によると中世初期の写本に記載が残されています。現在、アカデミック・ライティングでは、本文中の情報の出典や背景に関する補足、つまり脚注や注釈を示すためにアスタリスクが使われています。本文中にアスタリスクが付いていれば、同じページの下(footnotes)か、論文の最後(endnotes)に掲載される参考文献(Reference)のセクションに、アスタリスクの付いた部分に関する詳細情報が掲載されていることが分かります。 論文のタイトルにアスタリスクが付いていることもあり、法学者であるピーター・グッドリッチ(Peter Goodrich)は『On Philosophy in American Law』に収録されている小論 "Dicta…

構文とは?アカデミック・ライティングでよくあるミスと修正方法

論文を始めとするアカデミック・ライティングでは、自分の考え、発見したことを含めた研究の成果などをいかにうまく伝えるかが重要です。アカデミック・ライティングでは全体的な文章構成も重要な要素ですが、文章自体が不完全だったり冗長である、つまり構文にミスがあると、文章の明瞭さと流れが損なわれてしまいます。特に、学術文章は内容自体が複雑なので、一般的な文章よりも理解するのが難しくなりがちです。読みやすく、わかりやすい文章を書くため、アカデミック・ライティングでありがちな構文ミスと修正方法を確認してみましょう。 アカデミック・ライティングの構文に求められること 構文とは、ある言語の文法ルールに則って単語や区を配置する基本的な文型や一文の構造のことを指します。 非常に基本的なことですが、アカデミック・ライティングの構文には、正確さと明瞭さが求められます。裏付けのない仮定、断片的な文章や逆にダラダラとつながるRun-on Sentences(ラン・オン・センテンス)、不適切な位置に挿入された修飾語などのよくあるミスは、読者を混乱させ、内容の理解を阻みます。 アカデミック・ライティングの構文には、読者に内容が伝わるように分かりやすい文章であること、主張を裏付ける根拠を正確に提示する科学的な文章であることの2つが求められることを覚えておき、この特徴を踏まえて書くことを心掛けてください。では、アカデミック・ライティングの構文でよくあるミスを見ていきます。 アカデミック・ライティングの構文でよくあるミス Incomplete Sentences(不完全な文章) 不完全な文章はアカデミック・ライティングでよく見られる構文ミスです。全ての文には主語と動詞が必要であり、不完全な構文は読者に混乱を招きます。従属節や句だけでは完全な文章になりません。学術文章としての信頼性にも影響するので、基本的なことですが、十分に注意するようにしてください。 構文ミスの例:While working on the project.…

【8/27まで】査読へのAI使用に関するグローバルアンケート調査

AIは、研究のコミュニケーション、査読、出版の方法に変革をもたらしています。その要因は主に、原稿のスクリーニング、盗用・剽窃検出、および査読を補助するAIの潜在的な可能性が拡大していることに起因していますが、査読者、編集者、著者はこうした変化をどの程度前向きに受け止めているのでしょうか。 今年の「Peer Review Week」(テーマ:Rethinking Peer Review in the AI Era、開催期間:2025年9月15日~19日)を記念して、エナゴでは、AIを使用した査読に関する関係者の本音を探るため、「査読へのAI使用に関するグローバルアンケート調査」を実施します。この調査は、理論的な議論を超えた現実的な視点から、編集者、論文著者、そして査読者が直面する現実的なシナリオを示すことにより、現実には何が起こっているのか、そして倫理的かつ自信を持ってAIを導入するためにはどのような支援が必要なのかを明らかにすることを目的に行うものです。 アンケートへの回答はこちらから: 査読へのAI使用に関するグローバルアンケート調査 ※調査結果は、個人情報が分からない形で一般への公開を予定しています。 査読者、ジャーナル編集者、研究者、出版専門家、AI倫理学者、あるいは政策立案者などさまざまな立場の方からのご意見を理解することで、学術出版における責任あるAIの導入に貢献したいとエナゴは考えています。 期待される調査結果…

学術コミュニケーションにおけるAI利用へのアドバイス

AIは、研究の実施、レビュー、出版の方法に急激な変化をもたらしています。AIツールは学術出版をより速く、よりアクセスしやすくすることが可能ですが、その一方で、研究倫理、オーサーシップ、研究の透明性についての問題を提起します。この記事では、学術コミュニケーションにおいて責任を持ってAIを使用するための留意事項と、学術翻訳サービス がAIの利用につきどのように効果的なサポートができるかを紹介します。 学術コミュニケーションにおけるAIの役割の増大 AIは、学術出版プロセスのあらゆる段階を変えつつあります。アイデアを考えることから原稿の読みやすさを向上させることまで、さまざまな面で研究者をサポートするAIツールは、今や欠かせないものとなっています。 AIツールでできることの一例: 論文の言語と構成を向上させる 査読(ピアレビュー)を要約する 編集者が、適切な査読者を見つけ、投稿論文のオリジナリティを確保するのを助ける こうした利点はあるものの、研究インテグリティを守るためにAIツールの使用は慎重に管理しなければなりません。 責任を持ってAIを利用するための留意事項 AIは著者にはなれない AIは著者とは認められません。AIは、オーサーシップ(著者資格)に含まれている研究に対する説明責任を果たすことができません。出版社は、AIを利用した場合にはその旨を示さなければならないと強調していますが、ChatGPTや画像生成ツールなどを論文執筆の貢献者として記載することはできません。 透明性は必須 研究者は、データ分析、テキスト編集、視覚化などの作業にAIツールを使用する場合、使用した事実や方法を明確に示さなければなりません。こうした点に留意してAIを使用することにより、研究倫理を確保し、研究の信頼性も維持することができます。 AIによる生成物は一次情報源とはならない…

学術出版におけるプレプリントのメリットとデメリット

学術出版は長い間、知識の普及と科学の発展の礎石とみなされてきました。そこに、研究を共有、精査、強化する方法を再構築する新たな学術コミュニケーションツールとしてプレプリントサーバーが登場しました。本記事では、学術出版におけるプレプリントの役割を掘り下げ、そのメリット、デメリット、研究の将来への影響などを探ります。 プレプリントとは? プレプリントとは、正式な査読を受ける前に一般に公開される原稿(初期原稿)のことです。研究者は、arXiv、bioRxiv、medRxivなどのプレプリント専用のプラットフォームに原稿を公開することにより、グローバルな科学コミュニティと迅速に研究成果を共有することができます。プレプリントは査読付きの論文とは異なるので、査読を経ていないことと公式な精査が行われていないものであることを伝える注意書きが添えられているのをよく見かけます。 プレプリントは、学術雑誌(ジャーナル)で出版する際に必要となる最終的な仕上げ調整や推敲を行う前の段階で公開される原稿です。一方、ジャーナルに出版される「論文」は、ジャーナルの投稿基準を満たすための厳密な査読や編集者による修正が行われてから公開されます。こうした違いを踏まえ、査読を経ていないというリスクを含みつつも、プレプリントはスピーディーな研究成果の公開と、学術コミュニティからのフィードバックを得るツールとしての役割を担っていると言えます。 プレプリントのメリット スピーディーな研究成果の公開 従来の学術出版では、投稿から出版(公開)までに数か月から数年かかることもあります。プレプリントサーバーは、研究者がほとんど即座に研究結果を共有することを可能にすることで、時間の問題を解決しています。例えば、COVID-19のパンデミックの際には、プレプリントが早々に共有されたことにより科学者間の迅速な協力と対応が可能となり、緊急時におけるプレプリントの重要性が浮き彫りになりました。 知識へのオープンアクセス プレプリントサーバーは、インターネットを使える環境にいる人なら誰でも自由に研究にアクセスすることができるようにすることで、幅広い人たちが情報を収集し、知識を共有できるようにします。従来のジャーナルにありがちな購読契約による障壁を取り除くことができるため、発展途上国の研究者や資金が限られている研究機関にとっては非常に有益です。 フィードバックと協力の促進 研究成果を公開することで、研究者は多様な閲覧者から建設的なフィードバックを得ることができます。正式な査読の前、初期段階で他者による精査、フィードバックを受けることは、仮説を洗練させ、方法論を改善し、研究全体の質を高めるのに役立ちます。疫学者ジョン・イオアニディスが指摘しているように、プレプリントは「研究結果をより早い段階でオープンにすることで、より多くの目で結果を精査し、誤りや改善策を見つけることができる」ものなのです。 露出度と認知度の向上 学術論文の正式な出版前に研究成果をプレプリントで公開することで、自身の業績やその分野への寄与を拡散するのに役立ちます。同じ研究分野の研究者間での認知度向上にもつながるでしょう。 透明性と再現性を重視 プレプリントは透明性を重視し、他の研究者が予備データを調べ、検証できるようにするものです。また、研究プロセスの永続的な記録としての役割も担っており、未発表の研究結果であっても、学術コミュニティがアクセスできる状態が保たれます。…

デスクリジェクトを回避する: 投稿要件と倫理基準を満たすためのヒント

ジャーナルの内部事情を知る専門家が語る3大スクリーニング要素:「盗用・剽窃」、「AI生成コンテンツ」、「原稿の構成」 デスクリジェクトの原因となる重大なマイナスポイント 分かりやすさ、構成、ガイドラインへの準拠を強化するための戦略 学術出版における倫理基準と報告基準の最新情報