?> 科学コミュニケーションと学術出版のエキスパート ― エナゴ学術英語アカデミー

2023年の学術ニュースまとめ:研究と学術出版における重要な動向を振り返る

2023年は、学術出版界における記念碑的な変化に満ちた年でした。改めて、学術研究において注目された出来事、マイルストーン、そして残された課題も含め、研究と学術出版に関する2023年の学術ニュースを総括したいと思います。 2023年が、人工知能(AI)の潜在的脅威と科学的な不正行為に対し、協働で対処する必要に迫られた年であったことは間違いなく、その結果、アカデミック・インテグリティ(学術的な誠実さ)の基盤が強化されることとなりました。2024年の活動を計画するにあたり、学術業界における重要な出来事を振り返り、将来への影響に備えておきましょう。 1. アカデミック・インテグリティの遵守 a. Web of Scienceが50以上の学術雑誌(ジャーナル)を削除 2023年、残念ながら投稿された論文の撤回が急増し、科学的不正行為が増加しましたが、学術コミュニティはこの問題に対する抵抗力を得ることとなりました。撤回の理由としては、データ操作や査読プロセスにおける不正などが挙げられています。3月には、Web of ScienceがJCR(Journal Citation Reports)2023年版に掲載するジャーナルの見直しを発表し、単年度としては異例の多さである50誌以上のジャーナルの掲載を取り消すという大胆な措置を取ることで、質の高い学術記録の維持に取り組む姿勢を示しました。 b. クラリベイト社、高被引用論文著者リスト2023年度を発表…

地球沸騰化!我々が直面している地球温暖化―世界で今起きていること<気候変動編>

2023年夏の異常な暑さや、11月に入っても各地で25℃以上の夏日が続出したことを振り返れば、地球温暖化が身近に迫っていることを実感したことでしょう。今や気候変動という人類共通の問題について、実態を把握し将来を予測すべく、世界中の科学者がさまざまな研究を進めています。言語面から学術研究をサポートしているエナゴ学術アカデミーでも、今、世界が直面している環境問題や気候変動をとりあげるとともに、関連する研究を紹介したいと思い、このシリーズを立ち上げました。トピックの第一弾は「地球温暖化」です。 (more…)

論文を書くためのお勧め参考図書2冊

オーストラリア国立大学(ANU)のインガー・ミューバーン教授のコラム「研究室の荒波にもまれて(THE THESIS WHISPERER)」。今回は、教授自身が学生の時に助けられたという書籍を2冊紹介してくれています。是非、英語論文を執筆する際の参考にしてみてください。 私は2006年にメルボルン大学の博士課程に入り、2009年に修了しました。この間、学部の最優秀論文に贈られるJohn Grice Award賞を受賞し、大学では2位(残念!)を受賞するなど、上々の成績を収めました。この成功は2冊の「ハウツー本」のおかげだと思っているので、ここで紹介します。その2冊とは、David EvansとPaul Grubaによる『How to Write a Better Thesis』と、Pat KamlerとBarbara Thomsonによる『Helping…

[PR] はじめてオンライン座長を任されたときの英会話講座

株式会社羊土社刊行の「実験医学」の掲載記事をデジタルコンテンツとして購入・閲覧できる「スマホで読める実験医学」。無料記事の1つ「はじめてオンライン座長を任されたときの英会話講座」をご案内します。 ※本記事は「スマホで読める実験医学」に関する広告です。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 「ミュートになっています」「ハウリングしています」コロナ禍によりオンライン化が進み,このような言葉を聞く機会が多くなりました.研究活動においては,国境をまたいだオンライン学会も珍しくなくなりましたが,もし自分がセッションの座長を務め担当しているときに,海外の研究者が音声やスライドショーのトラブルに陥ったら,どのような英語で声かけすればよいのでしょうか? 本稿では,はじめてオンライン国際学会の座長を任されたときでも安心して臨めるよう,状況に応じた英語表現を紹介いただきます. (実験医学onlineウェブサイトより転載) ・続きはこちらから。 ・全文を購読するには羊土社への会員登録とクレジットカード登録が必要です。登録後、上の要約対象の記事全文を無料で読むことができます。 ・「スマホで読める実験医学」の詳細はこちらから。

ChatGPTは学術文章作成に使えるか

オーストラリア国立大学(ANU)のインガー・ミューバーン教授のコラム「研究室の荒波にもまれて(THE THESIS WHISPERER)」。今回はあっという間に日常に入り込んだAIチャットボット「ChatGPT」についてです。文章の要約や生成もできるChatGPTのアカデミックな文章作成の実力やいかに。ミューバーン教授はかなりお気に召しているようです。 今回は、ChatGPTについて書きたいと思います。私の妹(@anitranot)は面白おかしく「ChattieG(チャッティーG)」と呼んでいるので、私もこのコラムではChattieGとしておきます。 学術界のChattieGへの反応は、学生がズルをするのに使ってモラル・パニックになるという危機感と、どうせロクな文章は書けないだろうという皮肉な過小評価との間で揺れ動いているようです。学術界での『ハンガー・ゲーム』、過酷な生き残りをかけた闘いの中でChattieGについて語る人はほとんどいないようですが、ChattieGは新しい武器となり得るものです。 正直なところ、このテクノロジーに対する学術界の反応に少々困惑しています。どうせ大したものではないとか(これは大きな間違いで、実際ChatGPTは大したものです)、書くことの「喜び」を奪ってしまう(個人的には、アカデミックな文章を書くことにそれほど喜びを感じていませんが、この点は人それぞれでしょう)と主張して、このツールを利用しない人もいます。使っている研究者も、ブログはもう時代遅れとされた昨今、ChattieGを使っていることを公に書き記す場所もないのでしょう。 私は、生成AIツールがアカデミック・ライティングのワークフローにどう取り込めるかについて、もっと一般的な議論が必要だと思っています。マンチェスター教育研究所のデジタル社会学者であるマーク・キャリガンが本を執筆していますが、それを待たずに私の意見を書いておきます。自分自分がChattieGのエキスパート・ユーザーだとは思っていませんが、今年に入ってから教室で使い方のコツを教えています。この授業は好意的に受け止められているようで、私のアイデアのいくつかを記録しておくように勧められました。そこでこのブログでは、私のお気に入りのChatGPTのプロンプトを紹介します。 倫理の話を抜きにして、ChatGPTについて語ることはできません。最初にはっきり言っておきたいのは、これから述べることの一部は、ANU公認のChatGPTの使い方ではないということです。大学のお偉いさん方は、来年発表する予定の関連原則の作成を進めています。私の理解では、この原則は職員と学生の両方に適用されます。現時点でのANU経営陣からの公式なアドバイスは、博士課程の学生は人間の校正者(エディター)に作業を依頼するのと同じことであればChattieGの機能を使うことができるというものです。 このアドバイスはすぐに変更されるかもしれませんが、それまでの間であってもかなり明確な方針であることは間違いありません。人間の校正者が論文に対してできること、できないことには具体的な制約があり、それは「Australian Standards for Editorial Practice(仮訳:オーストラリア校正実務基準)」に定められています。私が作成したプロンプトのうち、どのプロンプトがこのガイドラインに準拠しているかをお伝えします。それぞれの大学にガイダンスがあるでしょうから、不明な点は所属する大学・機関に確認してください。学術ジャーナルが独自のガイドラインを発表し始めていることもお忘れなく。 最初に、ChattieGやその他の広く利用されている言語モデルがどのような機能を備えているかを見ておきましょう。 ChatGPTは、与えられるタスクに関する情報が多ければ多いほど、より良い結果を生成することができます。AIとその応用の第一人者であるイーサン・モリック教授は彼のブログ「One…

研究論文を効果的にプロモーションする方法

学問の世界において、研究論文は発表してそれで終わりではありません。出版された後、しかるべき読者に届き、ふさわしいインパクトを与えられるようにする必要があるのです。研究のプロモーションは、認知度や被引用数の向上と、共同研究の機会拡大につながります。ここでは、研究論文をプロモーションするための効果的な戦略をご紹介します。 ソーシャルメディアの活用: X(旧Twitter)、LinkedIn、ResearchGateのようなソーシャルメディアプラットフォームは、研究をより多くの人々と共有するための強力なツールです。以下のような使い方をします。 • X(旧Twitter)関連するハッシュタグをフォローし、学術的な会話に参加し、研究成果についてポストする。研究分野のインフルエンサーや機関をタグ付けして認知度を上げる • LinkedIn: 研究論文をプロフィールに掲載し、要約を書き、研究テーマに関連する専門家グループに参加する • ResearchGate:論文をアップロードし、同じ分野の研究者をフォローし、ディスカッションに参加して、自分の研究を紹介する 自分の学術ウェブサイトやブログの作成: ウェブサイトやブログを立ち上げれば、それを自分の研究プロモーションのハブとすることができるでしょう。発表済みの論文や書籍の一覧、現在進行中の研究、ブログなどのセクションを設け、わかりやすい言葉で研究成果について論じたり、解説したりします。それにより、研究のプロモーションだけでなく、研究者としてのブランディングにも役立ちます。なお、発表済み論文のどの版なら公開してもよいか(プレプリント/ポストプリント)、エンバーゴ(公開までの猶予)期間などは、出版社と交わす著作権譲渡に関する合意書の内容によりますので留意してください。 オンラインの学術コミュニティへの参加: Academia.eduやGoogle Scholarのようなプラットフォームには、論文をアップロードして他の研究者とつながることのできる機能があります。自分の研究分野に関連したフォーラムやディスカッショングループに参加することでも、コミュニティ内での自分の知名度を上げられます。…

博士号取得のための歩みを止めていませんか?

オーストラリア国立大学のインガー・ミューバーン教授のコラム「研究室の荒波にもまれて(THE THESIS WHISPERER)」。今回は、意識的・無意識的に論文の提出を遅らせてしまう博士課程の学生についてのコラムです。 先日、オフィスの前のバルコニーで、ANUの後期博士課程の学生2人と素敵なランチをしました。ANUのクィディッチ*チームが目の前の楕円のフィールドではしゃいでいる間、私たちは冬の終わりの日差しとブラック・マウンテン・タワーの眺めを楽しみました。アカデミアが楽園のように思える瞬間でした。広大な公園の真ん中で、興味深いことをしている頭のいい人たちに囲まれて、しかも嘲笑されることなく箒を股に挟んで走り回れるような場所で仕事ができるなんて、他にあるでしょうか。 *クィディッチ(Quidditch)はハリーポッター・シリーズで登場する箒に乗って行われる魔法界のスポーツ。 私が、ANUの美しいキャンパスは博士課程の学生であることの特典のひとつに違いないと言うと、食事を共していた学生たちも同意しました。ひとりは、博士課程をできるだけ長く引き延ばしたいと思うのは当然だとしました。終わればすぐに大人の責任が押し寄せてくるから、というのです。 こんな暮らしは、資本主義世界から遥か遠くの離れた世界である一方で、資本主義世界の多くの利点を享受することもできるものです。ですから、博士課程での研究を遅らせる人々の50%ぐらいは、この素敵なライフスタイルを享受するため、そうしているのに違いないと考えたくなります。しかし、現実にはもちろん、このような状況にあるほとんどの人は、博士号という重荷を取り除こうと必死なのです。大人になってから貧困ライン以下で生活するのは楽しくありません。研究は社会生活に食い込んできかねないですし、実際に食い込んできます。たいていの研究プロジェクトは3年ぐらいで少なくともある程度は退屈になってきます。 しかし、博士課程の学生としての生活が成り立たなくなってきていても、論文提出に後ろ向きでいる不可解な人々がいます。お金が底をつき、人間関係がぎくしゃくしているにもかかわらず「身動きが取れず」、提出に必要なステップを踏むことができない(あるいは踏み出そうとしない)のです。 そのような人に会ったことがある方もおられるでしょう。いつも、あと1章書かなければならないとか、さらなる文献レビューが必要だとかするのです。小うるさい指導教官のせいでそうなる場合もありますが、指導教官という人々の中では完璧主義者よりも絶対的な現実主義者の方が圧倒的に多いため、一般に思われるほどそうしたケースは多くはないでしょう。 不幸な一部の学生は、自分の研究が博士号の水準に達する見込みが薄いにもかかわらず、あきらめ時を認めようとしません。私の知人には、すべてが崩壊していく中で、決断を下すことを拒み、宙ぶらりんの状態で生きている人もいます。それを見ているのは辛く、苛立たしいのですが、黙って彼ら自身に解決を任せるのが最善だということを、私は身を持って学びました。彼らを批判したり、彼らが従えない(あるいは従いたくない)アドバイスをしたりしても、何の解決にもならないのです。 さっさと提出するか辞めてしまうのが合理的で理にかなった行動という状況で、しつこく続けようとする人がいるのはなぜでしょう。理由は複雑ですが、厄介なアイデンティティの問題が絡んでいるケースもあると思います。意識的あるいは潜在意識的レベルで、「博士課程の学生」という肩書がなければ自分はどうなってしまうのだろう、と心配するのです。そのアイデンティティを手放すという決断は、特にそれに代わるものがすぐに見つからない場合、深刻なアイデンティティ喪失の危機をもたらす可能性があるのです。惰性で残っている学生を責めるのは早計です。 今は亡き偉大なアリソン・リー教授(Alison Lee)は、この分野において、自身の最高の研究成果を成し遂げ、研究教育についての研究者たちが、博士課程のコミュニティにおけるアイデンティティとアイデンティティ・ワークの役割に目を向けるきっかけを作りました。私の友人であるメアリー=ヘレン・ウォード博士(Dr. Mary-Helen Ward)は、博士課程学生の教育についての論文を書いており、この分野の包括的な文献レビューが含まれているので、興味のある方は参照してください。仕事に取りつかれた私たち西洋社会においては、アイデンティティの意識は仕事と密接に結びついているため、こうしたアイデンティティの問題は私たちの多くにとって非常に現実的で、悩みの種となっているのです。…

オンライン学会のメリット・デメリットと活用法

未曾有のCOVID-19パンデミックは、専門家間の情報発信に新しい手法を採用するきっかけとなりました。そのひとつが、オンラインによる学会やイベントの開催が加速度的に拡大したことです。パンデミック対策としてだけでなく、長い目で見た場合の利点も踏まえれば、ネットワーキングにおける技術革命を受け入れることは今や必然ともいえるでしょう。STM(科学・技術・医学)業界も、このテクノロジー主導の流れと無縁ではいられません。オンライン学会は、世界中の科学者が自分の研究室や自宅にいながらにして参加できる、新しいネットワーキングのプラットフォームなのです。 この記事では、オンライン学会やカンファレンスに参加する研究者にとって役立つ、ベストプラクティス(効率的な活用法)について概説します。 オンライン学会・カンファレンスのメリット 出席の機会の増加 研究者は、学会のオンライン開催が増加したことにより、以前は参加できなかった学会も含め、より多くの学会に出席することができるようになりました。 簡単なネットワーキング・オプション 多くの学会では、事前にアジェンダや講演者の詳細情報が提供されるため、参加者はより幅広い人々と容易につながることができます。 時間、費用、労力の節約 長年、学会への参加は、費用と時間がかかるものでしたが、オンライン学会なら、旅費や宿泊費、その他の雑費を気にすることなく学会に参加し、世界中のさまざまな地域の研究者や専門家、発表者やパネリスト、参加者とつながることができます。 集中力の向上 時差のある場所に移動する必要がないため、睡眠不足になることも体力を消耗することなく参加し、内容に集中することができます。 迅速なフィードバック オンライン学会では、出席者がQ&A形式のインタラクティブなセッションで簡単に質問することができるため、迅速なフィードバックを得ることができます。 環境にやさしい オンライン学会では、紙の冊子やパンフレット、補足資料などを配布する代わりに、これらの情報源をウェブ掲載するなどの配信方法を採用することで紙の使用削減が可能です。さらに、参加者は現地への移動が必要ないので、飛行機などの交通手段の利用にともなう二酸化炭素排出量を大幅に削減することができます。…

起きなかったツイッターの死についての一考察

オーストラリア国立大学のインガー・ミューバーン教授のコラム「研究室の荒波にもまれて(THE THESIS WHISPERER)」。今回は、学術界におけるツイッター/Xの今後について、歴史学を専門とするゼブ・ラーソン(Zeb Larson)が書いた記事を紹介します。 数ヶ月前、私はコーリー・ドクトロウ(Cory Doctorow)が世に送り出したアイデアをもじって、「学術ソーシャルメディアの『クソ化』」という記事を書きました。 この投稿はちょっとしたバイラルヒットとなり、ABCラジオでジェラルディン・ドゥーグ(Geraldine Dougue)のインタビューを受けたり、ザ・オーストラリアン紙に記事が掲載されたりしました。記事の方は有料なので(”メディア王”ルパート・マードックへの支払いなどしない私は)まだ読めていません。 7月にあの投稿をして以来、私はツイッターのアカウントを正式に閉鎖し、Mastodon、BlueSky、Threads(3つともハンドル名は@thesiswhisperer)にソーシャルメディアの時間を割いています。前回の記事の続きを投稿してほしいと言われ続けていますが、「アドバイス」がどのようなものであるべきか、まだ考え中です。 実は、私はしばらく前からゲストによる記事の定期的な掲載を止めていますが、ゼブ・ラーソン(Zeb Larson)がツイッターでブログ記事の投稿を申し出てくれたとき、私は「お願いします」と答えました。私はゼブに直接会ったことはありませんが、彼の投稿をいくつかのプラットフォームで楽しく読んでおり、彼が現在の状況、特に多くの人々がまだツイッターに固執していることについて興味深い見解を持っているとかねてから思っていたのです。 ゼブ・ラーソンはオハイオ州立大学で、米国における反アパルトヘイト運動を研究し、2019年に歴史学の博士号を取得しました。2016年にフリーランスのカリキュラム開発者として(彼の指導教官たちには内緒にしてください)、2020年にフリーランスのライターとして働き始めました。 先行きの読めない学術界や学術界に代わるマーケットのプレッシャーに疲れ、2020年にソフトウェア・エンジニアとなり、フリーランスの副業を続けています。ゼブの仕事についての詳細はこちら、またはLinkedinでフォローしてください。 (以下はゼブ・ラーソンによる記事です) この記事を書くのは簡単ではありませんでした。ツイッターの崩壊は、ここ数週間でスローモーションから早送りになったように感じられます。昨年(2022年)11月や12月の時点で、ツイッターの死は非常に簡単に予想できましたが、もちろんそれは実際には起きませんでした。私は2022年の11月に素早く見切りをつけてアカウントを削除しましたが、はっきり言うと、私がそうできたのは、いくつかのツイッターコミュニティときれいに決別する準備が十分に整っていたからです。…

調査研究に適した統計的仮説検定を選ぶ際の7つの重要項目

実験などから得られたデータの統計処理を行う場合、どの統計手法を用いればよいのか、この方法でよいのか分からないということも多いと思います。 統計的仮説検定の選択を誤ると、研究結果への信頼性に疑問を持たれたり、論文が不採用にされたりすることになりかねません。 この記事では、母集団の分布の型(パラメトリック/ノンパラメトリック)の違いから、統計的仮説検定の手法を選択するために重要な項目について解説します。 統計的仮説検定とは 統計検定(hypothesis testing)、あるいは統計的仮説検定(statistical hypothesis testing)とは、ある仮説が正しいのか否かを統計学的に検証する方法です。 2つのデータセットが互いに有意に異なるかどうかを数学的に検定するもので、母集団分布の母数に関する仮説を標本から得た情報(データ)に基づいて統計学的な方法で検証し、対象となる変数の母集団に関する条件になんらかの差があるといえるかどうかについて確率論的な分析を行うものです。 統計的仮説検定では、平均、標準偏差、変動係数などいくつかの統計的尺度を用いて計算し、それらをあらかじめ決められた基準のセットと比較します。 もしデータが基準を満たせば、2つのデータセット間に有意差があると結論づけることができます。 分析するデータの種類によって、使用できる統計的仮説検定は異なりますが、一般的な手法としては、t検定、カイ二乗検定、分散分析(ANOVA)などが挙げられます。 統計的仮説検定の種類 統計的仮説検定にはいくつかの手法があり、解析の種類 や母集団の分布などに適した手法を選択する必要があります。…