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EnagoBy: エナゴ

書籍編集・書籍校正の種類

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執筆の経験があるのであれば、素晴らしいことです。本を書くことは野心的な試みです。しかし、本の初稿を書き上げることは、多くの場合、現実的な作業の始まりにすぎません。次に控えているステップが編集・校正です。とはいえ、「書籍編集・書籍校正」とは、ひとつのプロセスを表しているわけではありませんし、書籍の種類もさまざまです。執筆あるいは編集・校正のどの段階で行うかによって編集・校正作業(エディティング)の種類は変わり、書籍によって必要な編集者・校正者も異なります。例えば、ファンタジー小説の『Harry Potter(ハリー・ポッター)』と自然妊娠の調節方法について書かれた『Taking Charge of Your Fertility』は内容も文体もまったく異なるので、同じ人が校正をするわけにはいきません。それぞれ専門の校正者が必要になります。多種多様な書籍編集・校正と編集者・校正者を知ることで、編集・校正のプロセスと著者に求められることの詳細を理解するのに役立ててください。

 

書籍編集・書籍校正のプロセス

書籍編集・書籍校正のさまざまな種類とプロの書籍編集者・書籍校正者についての詳しい説明の前に、書籍編集・書籍校正のプロセスを理解しておくことが大切です。書籍の執筆は、著者がドラフト(草稿)を作成するところから始まります。ディベロップメンタル・エディティング(Developmental editing)と呼ばれる最初の編集は、著者の考えや文章全体の構造や流れを確認するのを手助けするものです。そして次のサブスタンティブ・エディティング(Substantive editing)では、議論やプロット(構想)の強化、パラグラフ(段落)やセクションの再構成、論理的な流れの確認、コンテンツの強化、さらに書籍の全体を読みやすくするための体裁の提案を行います。ここまで完了したら、次はコピー・エディティングです。コピー・エディティングでは、分かりにくい表現や文法を修正し、タイプミス(誤植)のチェックを行います。この段階で、スペルと大文字小文字の使い分けの確認を行うこともあります。そして最後、出版の直前にはプルーフリーディングを行います。そこまでに見過ごされたミスを見つけ出し、書籍の一貫性を確保し、印刷の前に原稿を完璧なものに仕上げるための最後の確認です。

編集・校正の各段階で行う作業の幾つかは重複している、あるいは類似していると気づかれた方もいるでしょう。例えば、コピー・エディティングとプルーフリーディングの両方の段階で文法やスペルのチェックを行っているようだが、何が違うのか?実際には、校正の段階で幾つかの作業は重複しています。書籍校正をプロに依頼した場合、同じ人がすべての校正を担うこともあります。優秀な書籍校正者は、最終原稿が読みやすく完璧なものとなっており、確実に著者が伝えたいことを的確に述べられているようにします。では、全体の流れが見えたところで、書籍校正のプロセスの詳細に移りましょう。

 

初稿・第二稿:ディベロップメンタル・エディティングとサブスタンティブ・エディティング

初稿を書き上げたら、最初に行うのはディベロップメンタル・エディティングです。この段階で編集者は、書籍を「発展(development)」させます、構成、プロット、セッティング、登場人物、時間軸、さまざまなストーリー・アーク(一連のストーリー)などを含め、著者の書いた内容の中で主要かつ重要な要素についてフィードバックを行います。学術書に対してもこの作業は行われますが作業内容は少し異なり、より広範な構成に焦点が置かれる一方で、調査や事実確認、題目(テーマ)の示唆、コンテンツ全体の分析まで含まれます。

状況によっては、初稿の執筆とディベロップメンタル・エディティングとの間にeditorial assessmentという段階が追加されることもあります。書籍の執筆を進める際に予備的なフィードバックを必要とする場合には、プロの書籍公正者に初稿の段階で文章全体を見渡すeditorial assessmentを依頼することも可能です。校正者は、書かれた文章を読み、話の組み立て方や議論の進め方について提案をくれるでしょう。どのように書き進めるかに対する友好的かつ一般的な意見や提案として考えてみてください。

ディベロップメンタル・エディティングが終了したら次はサブスタンティブ・エディティングです。著者は、ディベロップメンタル・エディティングでの提案を取り入れた第二稿を提出し、サブスタンティブ・エディティングを行ってもらいます。学術書の場合、サブスタンティブ・エディティングの校正者は、論理的な流れ、議論における不完全さ、あるいは一貫性のなさ、程度の差があるとしてもデータの追加が必要な箇所、構造の改編が必要な箇所などを指摘してきます。さらに、必要な場合には、文章を明確にするための大幅な書き換え、文章の削除、パラグラフの位置替えなどを行うこともあります。こうした作業を行うことで、書籍を読みやすく、文章の流れをスムーズで理にかなったものに作り上げていくのです。サブスタンティブ・エディティングが終了した後は、コピー・エディティングとプルーフリーディングに進みます。

 

論文の校正とは

それでは論文の校正とはどのようなもので、上述の「修正」とどのように違うのでしょうか。論文の校正とは、一言で言えば、論文を読み進む際に気になる技巧的ミスがないかを確認する作業です。自分あるいは論文校正サービスがこの作業を行う場合、論文が読みやすいか、技巧的にもミスがないかを確認します。修正が論文に書かれている「内容」の確認を重視するのに対し、校正は「技巧」的な側面や体裁を重視した確認を行います。

 

第三稿・第四稿:コピー・エディティングとプルーフリーディング

コピー・エディティングはライン・エディティングとも呼ばれる、書籍の最終的な形を整えるための段階です。ここでは、文法の誤り、スペルミス、または誤植がないかを文章の行毎に注意深く確認していきます。コピー・エディティングは、分かりにくい表現や文法の間違いをなくし、文章をきれいに整えることに焦点を置くことがよくあります。書籍を読みやすくするとともに、すべての言葉が正確かつ一貫性を持って使用され、適切な形式で書籍が書かれているかを確認します。優秀な書籍校正者は、この段階の校正を経て素晴らしい書籍を仕上げます。著者に残された最後の作業は、最終的な修正を行い、書籍が出版される準備ができていることを確認するのみです。

コピー・エディティングが終わったら、次はプルーフリーディングです。プルーフリーディングは、文章にスペルミスがないこと、言葉が一貫性を持って使われているかを注意深く確認することを目的に実施されます。優れたプルーフリーダーは、書籍全体を通して出版に適した形になっているかを確認します。プルーフリーディングが完了すれば、いよいよ出版です!

 

こうした段階的な構成を行うにはどのぐらいの時間が必要なのか気になることでしょう。最初から最後まで書籍編集・校正が終了するのに、数年といった長い時間がかかることもありますが、とても優秀な編集者が依頼を受けてから短時間で作業を行い、1年程度の時間で出版準備が整うこともあります。著者として希望通りに出版を実現させるには、書籍編集・校正の流れをよく理解しておくことが重要です。作業が分かっていれば、さまざまな校正の段階で何をしてもらい、どのようなことを期待するかを把握するのにも役立ちます。 優れた学術書籍の校正者、または書籍校正サービスを探しているのであれば、たくさんの素晴らしい出版社や校正サービスを提供している翻訳会社や言語サービスプロバイダ(LSP)にオンラインで作業を依頼することが可能です。是非、書籍を出版するという夢を実現させてください。

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