よくある「却下(リジェクト)」のシナリオ

論文がジャーナルに掲載されるまで、通常、平均2回は却下されるといわれます。今回は、ジャーナル編集部でよく聞かれる愚痴をあげ、その対応策を考えてみました。投稿する前の自分の論文を編集者の目で見ることができ、それに応じて原稿を作成することができれば、それだけ掲載のチャンスが高くなるのではないでしょうか?
1. 編集者の怒り
「メールの件名欄に研究者の名前を書く」とか、「1ページ目に研究者の名前と論文のタイトルを書き、論文自体には研究者の名前を書かない」とか、投稿規程はそんなに難しいものじゃないのに……。自分がちょっと楽をしたいからって、簡単な規程にも従わないで論文を送りつけてきて! 毎日何十も投稿論文がある中で、この論文にだけ時間をかけるなんて、ほかの研究者に対しても不公平。編集委員に見てもらう必要もないわ」
【対策】投稿規程上の小さなミスで論文が却下されることはまずありません。しかしあまりのミスの多さに、編集者に「あなたの個人秘書扱いしないで!」と思われたら、その場で却下(リジェクト)されることもあります。投稿規程は最初から最後まで読んで、できる限り従うように努力しましょう。
2. 編集者の困惑
「この論文の論旨は、3年前に頻繁に討論された題材と同じ。使われている略語や専門用語も、ヨーロッパ系のジャーナルで使われているもので、私たちが使っているものとは少し違う。本当にこのジャーナルのことを知っていて掲載してきたのだろうか?」
【対策】論文を読む前から編集者を不安がらせないように、気をつけましょう。以前そのジャーナルで取り上げられた題材と似ている場合は、「この論文と以前の論文の違いは読んでくれればわかる」とは考えず、必ずカバーレターで説明しましょう。また投稿前に、そのジャーナルの過去半年の発行物を読んで、読者がどのような興味を持っているか調べましょう。
3. 編集者の悲鳴
「この論文、いったい誰に査読してもらったらいいんだろう……」
【対策】編集者といっても、その分野のすべての領域に詳しいわけではありません。とても特殊な研究の論文のために、査読者を選ぶのは大変な作業となります。このような場合、査読者は、キーワードや参照文献をもとに選ばれることが多いようです。キーワードには、自分の論文の特徴がすぐにわかるような語を選びましょう。また、参照文献には、自分の論文ばかりではなく、自分の研究の意義を正当に評価できる研究者の論文を取り込むように努力しましょう。
4. 査読者の嘆き
「英語が読みづらくて、内容を評価するどころじゃないよ」
【対策】「英語が間違っていなければ時間をかけてちゃんと読んでくれる」と思うのは間違いです。正しいだけでなく、「よく書けた英語」を目指してください。そのためには、数回に分けて校正してもらうことも必要でしょう。これは、誤字脱字や文法の間違いが多いと、それらのチェックに時間がかかって、一度の校正では「読みやすい英語」になかなかならない場合があるからです
5. そして最後に……
「せっかく掲載が決まったのに、連絡先が分からない」
【対策】投稿から掲載が決まるまで、ときには1年近くかかることもあります。その間に所属先が変わることもあるでしょう。転職や転勤があったら、必ず編集部に新しい連絡先を連絡してください。案外と「連絡先不明」のまま、掲載が見送られているのかもしれません。
上記の観点から、今一度ご自身の論文を見返してみてください。もし該当する点があればしっかり直してからの投稿をおすすめします。また、リジェクトされた後に査読者のコメントに応じて手直した原稿についても、英語面での不安がある場合は専門のサービスを受けることも掲載受理率を高める一手と言えるでしょう。

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