気にするなと言われると余計に気になるのが、「他の人はどのようなペースで論文を書いているのか」ということではないでしょうか。「個人差がある」とか「研究分野によって違う」とか、色々な慰め(?)を聞けば聞くほど、いったいどのようなペースで論文を書くのが理想なのか? 自分は頑張っているほうなのか? どんどん不安がつのります。
物議をかもすような助言を避けるのならば、上述のウンチクをここでも繰り返すべきなのですが、ここはエナゴの私達が本音で話すブログです。私見になりますが、論文を書くペースに関して、ちょっと腹を割って、少し合理的に考えてみたいと思います。
まず、「他人の評価は問題ではない」という綺麗ごとは忘れるべきだと思います。より理想的な環境で自分のしたい研究をし続けるためには、研究費の捻出も必要でしょうし、キャリアアップも必要です。「質の低い論文を多く書いても意味がない」と言われるかもしれませんが、論文の質の良し悪しは、査読審査のある学術誌に出せば、客観的に判断してもらえます。本当に優れた芸術的ともいえる論文を書くことも大切ですが、そのために研究が継続できなくなってしまっては意味がありません。「good enough (十分いい)」という判断を下す思い切りを持つよう、常に意識しておいてください。
ではここで、論文を書くスピードを具体的に、段階を踏んで算出してみましょう。
第一段階 : 研究者として順調に事が進んだ場合、どのような過程を経るのか、自分が将来期待する道順を考えてみる
それには、就職、昇給、昇進、助成金の獲得、留学などという言葉が並ぶかと思います。
第二段階 : その一つ一つのステップに最低限必要な論文数を横に記入してみる
特に制限がなければ、何も書く必要はありません。
第三段階 : 最後に、それぞれのステップにかかると思われる年数を記入する
後は簡単な計算で、自分がどのくらいのスピードで論文を書いていくべきなのかが算出できるはずです。
ただしここで重要なのは、「この5年間で3本の論文を書かなければならない」という計算結果がでた時、それにどう対応するかということです。5年後に3本の論文を一斉に投稿できるよう、3つの研究を平行して行うのも手です。
しかし実際には、1本ずつ少しでも早めに論文を発表したほうが、色々な面で得だと思われます。
それはなぜか?2つの理由が挙げられます。
①論文の執筆は5年待ったから上手になるというものではない
1本ずつ書くことによって、学術論文を書く作業にも慣れ、次の実験の際、研究ノートの取り方などに新しい知識を反映し、より時間に無駄のない研究ができるようになります。
②論文が1本でも掲載されると、他の人の印象が変わる
印象が変われば、共同研究など、思わぬチャンスが転がり込む可能性もでてきます。また、次の研究に対する意見を聞いた時でも真剣に対応してもらえるでしょう。
つまり大切なことは、自分が最低限捻出しなければいけない論文の執筆ペースを把握した後は、ホームランを狙わず、コツコツ定期的に論文を投稿する予定を立てるということです。
次回のブログでは、その予定を現実に変える方法について考えてみたいと思います。
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