‘ペアレビュー誌’ カテゴリーのアーカイブ

学会誌の良し悪しの査定というのは、各研究者または各研究分野によって随分と違うものです。しかし一般に、社会により大きな影響を及ぼすと思われる学術雑誌は、ハイ・インパクト・ジャーナルと呼ばれ、国際的により多くの関心を集めがちです。では、このハイ・インパクト・ジャーナルとはどのようにランク付けされるのでしょうか。

学術雑誌の重要度を示す尺度であるインパクト・ファクターは、トムソン・ロイター社のWeb of Scienceと呼ばれる引用文献データベースに収録されたデータを元に毎年算出され、Journal Citation Reportsの一部として出版されます。対象となる雑誌は、自然科学5,900誌、社会科学1,700誌で、その分析の信憑性は、色々な論文でも証明されています。

計算は、基本的にその学術雑誌に掲載された論文が、3年にわたりどれだけ他の論文で引用されたかに基づいて行われます。つまり、ある学術雑誌の今年のインパクト・ファクターは、下の計算式を見ていただくと分かるように、その学術雑誌が過去二年間に出版した論文が、今年どれだけ他の論文で引用されたかを基に割り出されます。

A = 対象の学術雑誌が昨年中に掲載した論文数
B = 対象の学術雑誌が一昨年中に掲載した論文数
C = 対象の学術誌が昨年および一昨年中に掲載した論文(AとBで数えられた論文)が、今年引用された延べ回数
C / (A+B) = 今年のインパクトファクター

この方式により、新しく出版が開始された学術雑誌でも、多くの秀逸な論文を掲載すれば、3年後には世界的に認められる学術雑誌として名乗りでることができるという利点があります。そのため、同じ分野の論文を出版する学術雑誌が複数ある場合、今、どちらに掲載されたらより多くの人に読んでもらえるチャンスがあるか、簡単に査定することが可能となります。これは、投稿先を考える時に、とても便利な指針となるでしょう。

ただし、引用回数が多い英語論文の全てが、よりよい研究として多くの研究者に認められているという訳ではありません。中には、“悪い例”として繰り返し引用される論文もあるでしょう。また、日本語で出版されている学術雑誌にも質の高いものが多くありますが、英語で書かれたものと比較すると、どうしても引用されにくいという欠点があり、“社会により大きな影響を及ぼすと思われる学術雑誌”がより質の高い学術雑誌だと考えるのは軽率かもしれません。

関連記事
ハイ・インパクトジャーナル トップ10
最後まで読者の気を引き続けられる論文を書こう!
研究論文の書き方10法則

このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをつぶやく newsing it! この記事をChoix! Bookmark this on Delicious

一般に、誰が査読誌の審査員になるかと問えば、「その研究分野において国際的に認められた研究者であるとともに、論文の出版数が多いなどの生産性、客観的な観察力、および論点を明確に示すことのできる語学力ある人」という答えが返ってきます。しかし現実には、限られた人員で構成された編集委員会が、学会の全ての分野の最新情報に精通しているという訳ではなく、また、分野においては研究者が少なく、査読をさばけないという状況も多々あり、編集員会はいつも査読をしてくれる信頼できる研究者を捜しています。

そこでお勧めするのが、自分が好きでよく読む学会誌に、査読者として自薦すること。査読者はほぼまちがいなく無償の仕事ですので、金銭的には特になるようなことはありません。また、査読をしたからと言って、今後自分の論文が掲載される可能性が上がるというわけでもありません。時間もかかりますし、期限も限られています。英語圏の学会誌でしたら、英語力によっては、自分の書いた査読の英語を、編集員会に提出する前に誰かに読んでもらわなければいけないかもしれません。

しかし、人の論文を読み、公平な視点で一研究者が一研究者を評価するという作業は、学生時代に授業の一貫として論文を読み、理想論を振り回して批評をしたのとは大違いです。研究にかかる時間や運営費など、現実問題を考慮し、学会の向上という大きな視点から、その論文が何を貢献できるかを念頭に、批判ではなく評価をする必要があります。また一読者として読むのとも違い、編集局の視点が求められます。その学会誌が追求している目標を考慮し、査読をしている論文の主旨や研究方法と比較、「この学会誌の読者が読むべき論文か」という評価をしなくてはなりません。大変なことですが、この査読作業が、次回自分が論文を書く時に役に立つことは言うまでもないでしょう。

まずは、自分の論文を掲載してくれた学会誌の編集局へEメールしてみましょう。自分の論文がその学会誌でいつ掲載されたかを含め簡単に自己紹介をした後、査読者になる意思があること、どのような分野の論文であれば査読できるかを明記しましょう。履歴書を添付するのもよいでしょう。

また、昨今では学会誌のホームページで査読者の応募をしているのをよく見かけます。興味のある学会誌のホームページを頻繁に訪れ、そのような求人に応えるのもよいでしょう。

エナゴ関連サービス
海外ジャーナル投稿支援サービス各種
投稿先ジャーナル選択サービス、投稿前のピアレビュー、カバーレター作成代行などを各種支援サービスをご用意しています。

関連記事
査読者の苦悩
新しいタイプの査読学会誌
査読レポートをもらったら?
ペアレビューの査読レポートとは
ペアレビュー誌の選考基準とは
査読は、論文執筆のよい練習になりますか?

このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをつぶやく newsing it! この記事をChoix! Bookmark this on Delicious


英文校正・ネイティブチェック