自分の論文の投稿先を考える時、その学会誌の現在の知名度もさることながら、将来への継続的な知名度も気になります。そのためか、従来型の定期購読者に配布される学会誌と、新進気鋭のオープン・アクセス型の学会誌と、どちらのほうが将来性があるかという声をよく聞ききます。
出版までのプロセスが迅速に行われ、インターネットさえあれば自由にアクセスできるオープン・アクセス雑誌は、研究者の時間的負担を軽減し、視野とネットワークを広げるという大きな利点があります。そのため従来型の学会誌の中にも、雑誌の一部オープン化や出版から一定の期間を経てのオープン化など、何らかの形でオープン化を取り入れていこうとする傾向が見られるようです。
また、雑誌のオープン化は、研究者の、自分の研究の成果をより早く、より多くの読者に読んで欲しいという願望をかなえることに大きく貢献しています。昨今ではそのスピードをより高めるために、ペアレビュー前の論文や、使用されたデータなどを出版前に一般公開するオープン・アクセス・レポジトリー (Open-Access Repositories)を設けているところも少なくありません。この傾向は従来のクローズド・アクセス誌にも見られ、出版される学会誌自体はオープンでなくても、学会誌のHPを通して、研究者が自由に自分の論文や使ったデータをアップロードする手助けをするところも見られます。
しかし全ての学会誌がオープン・アクセス化するまでには、まだまだ時間がかかるでしょう。定期購読費を取らないオープン・アクセス雑誌では、その運営費の安定した確保が困難なため、投稿者への高額な投稿費を余儀なくされたり、突然の廃刊に見舞われるケースもあります。この点、従来の学会誌のほうが、より安定していると言えるわけです。今後もオープン・アクセス雑誌が成功を続けるためには、 何らかの公的な資金の導入が必要かもしれません。
このように、従来型の学会誌とオープン・アクセス雑誌は、今後もお互いに影響を与え合いながら、学界全体により多くの利益をもたらすよう共立発展していくと思われます。
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