論文を書く身にとって、編集者とは”自分の論文の生死の鍵を握る人”といった感があり、どうしても敵対視しがちです。しかし実際は、あなたの論文をまるで自分が書いたものかのように真剣に読み込み、時間をかけてアドバイスをしてくれる、学術論文掲載直前の最後の砦。それが編集者です。だからこそ、相手の仕事の内容をよく理解し、上手くコミュニケーションを築くことをお勧めします。そこで今回は、編集者の主な仕事をあげてみます。
1. 投稿された論文がその学術雑誌に適したものかの判断する
査読者へまわす前に論文を一読し、その学術雑誌にふさわしいものか、その主旨やフォーマットを確認します。
2. 適した査読者を割り当てる
論文の主旨や研究・分析方法に精通した査読者を探し、査読の依頼をします。
3. 複数の査読者の間で意見が対立した場合の調整をする
査読者の間で掲載の是非などの意見の対立が発生した場合、両者の意見を聞きながら、編集局としての判断を下します。
4. 学術雑誌に掲載するかどうか決める
査読者の意見を元に、学術雑誌の大局を踏まえて、投稿された論文を掲載するべきかどうか決定します。ただし、編集長や編集局が最終決定をする場合は、担当編集者として提言をする場合もあります。
5. 論文の筆者へ査読者のコメントを含めたアドバイスをする
論文の掲載の是非に関わらず、査読者のコメントやアドバイスをまとめ、筆者へ送ります。
6. 論文の筆者と査読者の両者から直接意見を聞き、二者の仲介役を行う
筆者が査読のコメントに質問や反論がある場合、筆者と査読者の間に入って、意見の交換を手伝います。
7. 掲載が決まった論文に対し、具体的なアドバイスを明確に伝える
掲載が決まった論文に対しては、査読者のコメントを元に、具体的にどのような変更や推敲が必要なのか、筆者にアドバイスをします。また、筆者がアドバイスの一つ一つにどのように対応したか、最終確認を行います。
編集者のアドバイスに従って最終校正をする際、査読者や編集者のコメント一つ一つに対し自分がどのような対応をしたか、箇条書きで構いませんので明示すると、編集者の作業が大変軽減されます。掲載までの時間削減のためにも、また編集者へよい印象を与えるためにも、多少手間はかかりますが、簡単な報告書を作成することをお勧めします。
8. 掲載が決まった論文の、掲載日程を決定する
掲載準備の整った論文を、いつどのような形で学術雑誌に掲載するか決定し、筆者に知らせます。
9. 査読者の仕事量や進捗状況の調整する
一人の査読者に査読の依頼が集中しないように気をつけたり、依頼した査読が予定通り行われているか確認するほか、人気のあるトピックに関しては、新たな査読者を探したりします。
10. 論文の筆者や査読者を含むすべての関係者間の問題解決をする
学術雑誌の出版には、印刷業者やウェブサイトのプログラマーや査読者などを含め、思ったより多くの人々の手が加わるため、誤解や意見の衝突は免れません。編集者はそのような時の潤滑油となって、出版が滞りなく行われるよう、全体の問題解決に当たります。
学術雑誌の規模が大きくなると、編集局長、各専門分野の編集長、編集者など、編集局内で上述の作業を分担する傾向があります。しかし一研究者としては、これだけの基本を押さえておけば、編集者を査読者との間において責めるようなミスは防げるのではないでしょうか。投稿から掲載の決定、そして実際の掲載まで、色々不明瞭に思える時もあるでしょうが、編集者が上記のような仕事をしていると理解した上で、確認のメールをすれば、コミュニケーションも的確に行えるでしょう。
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拝啓 査読者殿。。。












