2010年9月 のアーカイブ

すばらしいカバーレターを書いても論文がジャーナルに掲載されるとは限りませんが、悪いカバーレターを書いて即却下されることはあります。カバーレターの内容については、以前「論文の原稿に添えるカバーレターの書き方」で少しお話しをしました。また、”manuscript cover letter” というキーワードを使ってインターネット検索をすれば、サンプルがいくつも見つかるはずです。

しかし内容もさることながら、大切なのはダラダラと書かずに、簡潔に1枚にまとめること。2枚目の半分を過ぎてしまったら書き過ぎです。それでも研究が複雑で、簡単な説明だけでも1枚を超えてしまう場合はどうしたらいいのでしょうか。ここでちょっと裏技を紹介させていただきます。

1. 余白を狭くする
最初に日付を書き、最後にサインをするというアメリカのカバーレターのフォーマットでは、用紙の上下の余白が多少狭くなってもあまり不自然に感じられません。余白は通常、上下左右1インチと言われていますが、上下の余白を0.7インチに変えてみてください。それでも1枚に収まらない場合は、左右の余白を0.8インチにしてみましょう。上下左右ともこれ以上狭くなると不自然に見えますので注意してください。

2. 文字を小さくする
文字の大きさは通常の12フォントですが、これを11.5フォントに変えてみてください。最小で11フォントまで小さくしても大丈夫でしょう。

3. 一行ずつ確認する
行末に”accomplishments”のような長い言葉が来ると、その行に入りきれずに、次の行に押し出されてしまうことがあります。行末にかなりの余白ができますので、一目で見つけることができるでしょう。このような場合は、該当の行頭から問題の言葉までを選択し、文字間をほんの少し縮めてみてください。
最悪の場合、カバーレター全体の文字間を縮めることも可能ですが、これはかなり目立ちますし、目の悪い編集者には「読みづらい」という悪い印象を与えますのであまりお勧めできません。

4. それでもダメ
ここまでしてもカバーレターが1枚に収まらない場合は、本当に必要なことだけが書かれているかどうか、もう一度見直してください。

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今まで論文を書くのに費やした時間と労力を考えれば、カバーレターを書くのは簡単なことだと思われがちです。しかし、一番最初に読まれるカバーレターは、論文の第一印象として、編集者に大きなインパクトを与えることを忘れてはいけません。次に英語のカバーレターを書くときには、三つの大切な作用があることを考慮してください。

1. 研究者としてのあなたの信用性
編集者が恐れることのひとつに、「もっともらしいことを綺麗に表現されて、画期的な発見だと思って掲載したら、実は学会の標準や実験の基本を全く守っていなかった」ということがあります。権威のある大学や名の通った会社に所属していないと論文が発表しにくいのは、こういった背景があるのです。自分がどのような組織に所属し、どのような研究を続けて来たのか、自分の研究者としての信用性を数行でアピールしましょう。ただし、これは就職活動ではありませんので、ダラダラと自慢話にならないようにご注意ください。

2. 論文の完成度
編集者や査読者は、完成度の高い論文のなかで、どの論文がそのジャーナルに掲載するに値するかを査定するのが仕事で、論文を校正するのは仕事ではありません。しかし、「取りあえず投稿して、査読者の批評に沿って論文を推敲した方が、一人で何度も書き直すより簡単だ」という考えを持つ研究者があとを絶たないため、編集局はいつも完成度の低い論文に過敏に反応しがちです。そのため、カバーレターに誤字脱字があれば、「論文もさもあらん」と思われますので注意してください。誤字脱字を避けるためにも、一度書いたカバーレターを数日後に読み直してから送るぐらいの心掛けが必要でしょう。また、英語に自信のない方は、何度か英語をチェックしてもらいましょう。間違いが多いと、一度ではすべての間違いが見つからない場合がありますし、何度も見てもらうことで、表現がより自然に鮮明になっていくからです。

3. 編集者を味方につける
投稿してから掲載が決まるまで、編集者とはこれから長いおつきあいが待っています。該当のジャーナルに対して、何か好意的なコメントを添えましょう。随分印象が違うものです。

最後になりましたが、事務的なことをいくつか話したいと思います。カバーレターアブストラクトではありませんので、簡潔に一枚にまとめるのが基本です。英語のカバーレターの形式は、ビジネスレターと同じです。インターネットで「Manuscript Cover Letter」と検索すると色々な例が見つかりますので参照してください。そして、カバーレターの最後に、自分の連絡先を忘れずに。印刷した原稿を送る場合はとくにそうですが、仮にEメールで投稿
する場合でも、自分のEメールアドレスを必ず書いておきましょう。

また、カバーレターを書き終わったら、必ず自分の手元にコピーを置いておきましょう。その際、いつ送付したか、どの論文と一緒に送ったかが分かるようにしておくことをお勧めします。何ヶ月後に編集局から「5ページ目の最後の段落を削除して掲載したい」などと言われたときに「どの原稿か分からない」などとなりかねないので・・・。

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