2010年8月 のアーカイブ

つい数年前まで、インターネットは信用できない参照文献の代名詞でした。しかし昨今では、多くの研究者が、学会で発表した未出版の研究結果を自分のホームページに掲載するなど、インターネットに掲載された情報も、あながち無視できない存在となりつつあります。加えて、アメリカではEジャーナルも少しずつ人気と信頼性を高めており、「印刷されていなければ参照文献として使えない」という時代も変わりつつあると言えます。そこで、参照文献を選ぶ際に注意したい点をいくつか考えてみたいと思います。

1. 誰が書いたか
大学院生時代から出版を奨励するアメリカでは、無名の研究者の中にも目を見張るような研究結果を発表する人が多くいます。自分の研究に関係のある論文を見つけたら、その著者がどのような機関に所属しているか、誰に師事しているか、過去に出版や研究発表の経歴はあるか、ほかの論文に参照されているかを調べてみましょう。ウェブサイトの場合は、大学などの教育機関を表すeduや政府機構を指すgovがURLに含まれているほうが、一般のウェブサイトより信憑性があると考えられます。今まで多数の出版実績があり、有名な機関に所属していても、それが分野外の場合は要注意ですので、内容をよく確認してください。

2. いつ書いたか
金字塔と呼ばれるような研究でない限り、できる限り最新の情報を集めましょう。本を参照する場合、初版が5年前でも、その後何度か改訂されている場合があります。改訂の際、データの間違いが訂正されたり、新しいデータが加えられたりすることが多々ありますので、必ず最新版を入手しましょう。ウェブサイトの場合は、通常、ホームページの一番下に作成日を書くことが多いようです。必ずチェックしましょう。

3. どこに掲載されたか
ジャーナルには、学術論文のみを掲載する学会誌とそうでないものがあります。そのため、参照文献が掲載されているジャーナルの主旨を調べる必要があります。多くのジャーナルは、出版社からではなく、その学会誌のために構成された団体から出版されていますので、それがよい目安になるでしょう。
また、本を参照する場合は、出版社を確認してください。特定の研究分野の出版に力を入れている出版社があるはずです。そのような出版社は、その分野に関しては内容の正確さと最新情報の提供に細心の注意を払っていると思われますので、信頼性も高いでしょう。

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アメリカの大学院へ行って最初にさせられたのが文献解題の作成でした。それから長い年月が経ちましたが、私は今でもほかの人の論文を読みながら文献解題を作る癖があります。こうしてどんどん増えていく文献解題は、新しい研究をする時の足がかりになったり、いろいろな論文で再利用されたりしながらその熟成度を高めてきました。これが、私の研究者としての家宝です。

基本的に文献解題とは、通常の参考文献一覧に、その文献のまとめと自分の評価を加えたもののことを指し、とくに決まった書式があるというわけではありません。そこで、効果的に数々の研究を出版し続けていくためには、使い回しができる文献解題の作成が必須となってきます。

出版年や出版元の書き方は、一般的にAPAやMLAやChicago/Turabianなどのスタイルがよく使われますが、書き方は一貫性さえあれば、どのようなスタイルを使ってもあまり問題はありません。ただしAPA式で書くと、著者のファーストネームをイニシャルだけ書くことになり(例: Jones, A)、投稿するジャーナルが参照文献の著者名をフルネームで書くように要求した場合、著者名を調べ直さなくてはいけなくなりますのでご注意ください。このような場合を考慮して、念のためにISBNなどの書籍番号を控えておくと、あとで確認したいことが出てきた場合、即座に対応できます。

文献の要約としては、論文の研究領域、論旨、研究方法、結果とまんべんなくカバーすると、将来ほかの論文を書く時にも役に立ちます。また、新しい専門用語が提議されていたら、そのページ番号と行番号を書き留めておくか、定義を書き写しておくとよいでしょう。引用したくなるような文がどこにあるかを書いておくのも便利です。

最後に、論文の見解に何か偏りがないか、どのような点が興味深いと思ったかなど、自分の意見を書き加えていきます。この際、自分がどこを読んでいてそう思ったのかが分かるようにしておけば、将来、新しい研究をする際にも参照しやすいでしょう。

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