2010年7月 のアーカイブ

研究論文が却下される10の理由(2)

論文が却下される10大理由を4回に分けて考えていますが、今回はその第2回。もう少しテクニカルな面を考えてみたいと思います。

    4. 統計があればいいというわけではない
    専門分野によって差があるとはいえ、昨今、統計を使わない論文は少なくなってきました。統計がない論文は主観的だと思われる傾向があるからでしょう。しかし、統計的有意差が見られたからと言って、論文の信憑性が上がるわけではありません。逆に、本当はよい研究でも、不用意な統計の使い方によって信憑性を失う場合もあり、それだけの理由で査読者から低い評価を受けることがあります。統計を使用する場合は、使用の有無だけでなく、自分の行った研究の被験者数や被験者のグループ分けに適した統計の方法や統計を再検討してみてください。
    5. 新しい研究が引用されていない
    引用されている研究がすべて1900年代のものではありませんか? 有名な研究は古くなっても引用する価値がありますし、逆に引用しないことで信憑性を失う可能性もあります。しかし、引用している研究がすべて10年も前のものでは、どんなによい研究でも、「この10年の間になにか重要な発見があったのでは?」と編集者の不信感を煽ります。

    直接関連した内容の論文が出版されていない場合は、学会でのパネル発表や博士論文など、出版に至っていない研究でも構いません。「私はいつもこの研究に関して最先端の情報を集めている」ことをアピールしましょう。

    6. 仮説がない
    以前、他の研究者たちと「仮説を立てること自体が、主観的に研究を見ていることになるのでは」という論議をしたことがあります。しかし現実的には、編集者や査読者は数多くの論文を読まなくてはならず、一瞥で「この人はどうしてこの研究をしたのか」が分からなければ、「分かりづらい論文」として後回し(または却下)されることとなります。

    論文が却下される要因の一つとして、「どうしてこの研究をしたのか」と「その仮説を試すために、この研究デザインがどうして最適なアプローチなのか」が簡潔にまとめられていないことが考えられます。この2点を短い文で表現し直してみてください。蛍光ペンで塗ってみて、2〜3文だったら合格。一段落塗ることになってしまったら再度やり直しです。

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研究のデザインから投稿まで、寝る暇も惜しんで書き上げた論文。それが「残念ですが・・・」という型通りの手紙と共に却下されると、本当にガッカリします。でも、ここはいい自己回帰のチャンス! 研究自体に欠陥があったのか、それとも発表の仕方に問題があったのか? これから4回に分けて論文が却下される10大理由を紹介させて頂きます。出版を諦める前に、もう一度見直してみてください。

    1. ジャーナルの投稿規程を確認しましたか?
    郵送にしろEメールでの投稿にしろ、ほとんどのジャーナルには独自の(長い)投稿規程があります。「研究者の名前は論文から削除し、他の紙に書いて添付してください」とか「Eメールのタイトル欄に研究者の名前を書いてください」など、論文の質にはまったく関係のないルールですが、これらを守らないと、論文審査以前に却下されることが多々あります。
    2. 誤字や脱字はありませんか?
    以前、毎日何十もの論文が送られてくる世界的にも有名なジャーナルの編集長と話をする機会に恵まれました。ちょうどそのジャーナルへ論文を投稿しようと頑張っていた時だったので、投稿時の注意点を聞いたところ、「アブストラクトに一字でも誤字脱字があったら、査読者にまわさないで却下する」と言われました。

    誤字脱字は言葉遣いだけの問題ではありません。他の編集者で「アブストラクトを読む前にテーブルや統計の数字を見て、少しでもおかしかったら査読者へまわさない」という人もいます。誤字脱字や数字の写し間違いがないか、再度確認しましょう。

    3. タイトルに魅力がないのでは?
    「読んでみたい」と思わせるのもタイトルならば、「つまらなそう」と思わせるのもタイトルです。
    「30代日本人男性の・・・」など読者を限定するようなタイトルでは、国際的なジャーナルの編集者に「読者が興味を持たないのでは?」と思われてしまいます。また、有名なジャーナルになればなるほど、インパクトファクター(掲載される論文の学会へ及ぼす影響の大きさ)を重要視するため、読者を限定するようなタイトルを見た時点で、その論文は「却下」へ一歩近づくことになるでしょう。自分の研究を世界に訴える営業マンとして、一般的で世界に訴える、そして英語で響きのいいタイトルを考えてみてください。
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