「盗作するな」と言われれば、誰もが「そのくらい知っている」と答えるでしょう。しかし、何が盗作と見なされるか、本当にご存じですか? 情報交換を目的としたウェブサイトで盗作を目にすることがありますが、書き込んだ人に問い合わせると、「これも盗作なのですか?」と尋ねられることがよくあります。盗作と知りながら他人の研究結果や表現を盗む人は、案外に少ないものです。でも、無知が原因の盗作も故意に行った盗作も、盗作には変わらないので注意したいものです。
ご存じの通り、「ニュートンの法則」など一般常識となっている知識に関しては、参照文献を示す必要がありません。しかし、つい先月発行されたジャーナルで、誰かが新しい法則を発表していたら、それに関しては参照文献とともに、その法則の定義も明記しなければならないでしょう。同様に、全く新しいアイデアを自分の言葉で書く場合には参照文献は不要ですが、ほかの論文から一字一句を書き写す場合は、直接引用文として引用元の行番号まで表記しなければなりません。しかし、問題なのは、いつもこのようにハッキリ二極に分けることができないということです。
他の人の論文の一部を自分の論文に取り入れる場合、多少表現を変えても、もとになるアイデアがどこから来たかを参照しなくては盗作となります。また、まったく表現を変えても、アイデアが特有な場合は、そのアイデアが最初に発表された論文を参照するべきでしょう。しかし、学会内で一般常識化しているアイデアや用語は、自分の言葉で表現する限り参照文献は必要ないと思われます。ただしこの際、自分が考えだしたアイデアなのではなく、学会内で広く受け入れられているものだということが分かるような表現をしましょう。いかにも自分のアイデアだと言わぬばかりの表現を使えば、盗作と言われても否めません。
また、説明に使う例や表なども、ほかの論文から取り入れる場合は、参照しなくてはいけません。引用文でも言えることですが、表などでも、引用元に誤字脱字がある場合は、そのまま書き写し、訂正を書き足し、変更の説明を脚注でしましょう。誤字脱字だからといって原文に勝手に手を加えるということは、正確な意味では“盗作”とは言えませんが、してはいけないこととなっています。どうしても変更したい場合は、”modified from Jones 2010:299”などのように、「引用」ではなく「変更」したと明示して使うのがよいでしょう。











