論文を出版するだけでも大変なことです。そして、出版すること自体が、自分のキャリアアップへの得点になることも事実です。しかし、研究者としてもっと大切なことは、自分の研究者としての実績を、多くの人に認めてもらうことではないでしょうか。そのためには、多くの人たちに論文を読んでもらい、その人たちに自分の研究を引用してもらう必要があります。そこで今日は、どのようにしたら、数多く出版される論文の中で、どうやったら読者の目を引きつけ、最後まで読み続けてもらえるかを考えてみたいと思います。
よくよく考えてみると、自分が最新版の学会誌に目を通した時、3秒以上の時間を費やす論文というものはそうそうないものです。つまり多くの場合、読者がある論文の論旨や研究結果を把握するか否かは、その論文のタイトルにかかっていると言っても過言ではないということです。研究内容を明確に表現する短い言葉を選び、簡潔で分かりやすいタイトルを考えましょう。どうしてもタイトルが長くなってしまう場合は、目を引く短い主題に研究を説明する明確な副題をつけるなどの工夫をしてください。
タイトルで目を引きつけられた読者の多くは、論文を読む前に摘要を読みます。摘要は、多くの場合字数が限られているため、研究の全てを説明しようとしすぎて分かりづらくなりがちです。自分の研究内容にすでに深い興味を持っている読者の興味を維持すると共に、少し違った研究をしている人たちにも分かりやすいように表現することが必要となります。一度摘要を書き終えたら、同僚だけでなく、修士課程に入ったばかりの学生や専門が少し違う研究者に読んでもらい、その明確さや“面白さ”を評価してもらいましょう。
研究論文はサスペンスと違って、本文に急な進展やビックリする要素が続くと、読者は自分の論文に対する理解度に疑問を抱いてしまいます。序論だけでなく、本文でも、次の進展が予期できるような構想を練るよう心がけましょう。
また、これは余り多くの人が言っているわけではありませんが、私は、ほかの人が引用しやすい、適当な長さの文を幾つか入れておくことも大切だと思っています。特に最後の結論の章では、本文を読まなくても何が言いたいか分かるように、代名詞の使用に十分に気を使いながら、あなたの論旨を、短めの文で的確に表現しましょう。いつか、あなたが頭を悩ませて考え抜いて書いた一文が、名言となって世界中を飛び回る日が来るかもしれませんね。












