昨今、研究論文の書き方を説くガイドブックは色々な所で見られますが、査読レポートの書き方に関しては、まだまだあまりよく知られていません。そこで今回は、査読レポートを書く時の注意点をまとめてみました。

まだ査読を依頼されたことのない方も、「自分には関係ない!」などと言わずにご一読ください。時として査読者は、投稿論文と編集局を結ぶ唯一の「点」となりえます。査読者から学会誌掲載の推薦を得るためも、自分の論文がどのように評価されていくのかをよく理解するチャンスです。

【書き出し】
自分の名前およびE-mailアドレスとともに、査読をしている論文のタイトルと著者名も忘れずに明記してください。また、もし編集局よりmanuscript number(原稿番号)が与えられていたら、それも表記しましょう。

【レポートの目的】
査読レポートは、投稿された論文に対する査読者の見解を、その論文を読んでいないかもしれない編集者へ、くまなく簡潔に伝えることが第一の目的です。研究に欠陥はないか、分析が詳細に渡って行われているか、仮説から研究結果まで一貫性があるか、また論文が読みやすく書かれているか、広範囲に渡って論文の評価をしましょう。その際、ただの感想文にならないようにするために、自分の意見を述べる時にはどうしてそう思うのか、論文から具体的な箇所を引用しながらまとめるのもよい手です。

【落とし穴】
査読に慣れない方は、どうしてもその研究の欠点や不足している点に注目しがちです。査読を依頼されたら、現実的な制限を考慮したうえで、その研究の斬新さと質、学会における重要性や問題性を査定しましょう。査読とは、査読者がいかに学会のことを熟知し、一論文内の不足点をいくつ見つけられるかという査読者の力量テストではないということをお忘れなく。

【レポートの書き方】
箇条書きで構いません。関係のある部分が書かれているページ番号も併記しながらまとめると、ほかの人にも見やすいレポートができます。

【編集局へ自分の意見を伝える】
最後に、自分が査読した論文が、査読を依頼してきた学会誌に掲載されるべきだと思うかを編集局へ簡潔に伝えます。掲載を推薦する場合は、改訂の必要の有無も明記しましょう。改訂が必要な場合は、変更個所または内容と、自分がなぜその変更が必要だと思うかの説明もお忘れなく。タイポや学会誌の規定に沿っていない書き方が見られた場合は、ここで指摘しましょう。
また掲載を推薦しない場合も、推薦できない理由を簡単にまとめましょう。もし、もっと適した学会誌に心当たりがあるようでしたら、その点に触れても構いません。

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